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立ち呑み日記・やれやれの時間 [食前酒]

カフェの、すみっこのほうに席がとれて、やれやれ。

ただ今、11歳のムスコとその大親友の、チェスのおけいこが終るのを待っているところです。地下鉄に乗るほどの距離ではなく、かといっていったん帰ったら家に到着するなりまたすぐさま飛び出さないとならない。

そこで最寄りのカフェで時間をつぶすわけです。

このカフェは古く堅牢なカウンターが中央にデンと構えて、なかなか素敵。戦前のしつらえのままだと思いますヨ。

1990年代後半までは、頑固そうな老齢のご主人が一人で切り盛りし、ワインの種類の多いそれはもう有名店で、「ポワラーヌ」という、かまど焼きの田舎風パンを使ったオープンサンドが名物でした。

「この店は『ポワラーヌ』のパンを出している」
というと、一目置いたもンです。最近はおいしいパン屋がいろいろ台頭したせいか、「ポワラーヌ」をさほど有り難がらなくなりました。

このカフェ、当時の観光ガイドブックにはどれにも掲載されていたほどでした。

その後、高齢のご主人が亡くなり、別のオーナーへと移籍。店構えは昔と同じですが、タバコのやにだらけだった店内が塗り替わり、照明などが今風に垢抜けたように思います。

経営者は存じませんが、40がらみのオジサンたちが店をまわしています。

フロアを仕切っている細身のオジサンは、漏れ聞こえてきたところによると以前は舞台に立っていたプロのダンサーだそうな。

さもありなんと思いますね、注文を取りに来るときの、キレのある身のこなしといったら。

「紅茶、ですね」
と、昨秋の新年度からこのかた、寒いのでナントカのひとつおぼえよろしく紅茶ばっかり注文しているので、本日もそう聞かれました。

「おねがいします」

食前酒といきたいところですが、ちびすけどもの送迎があるなかでそうもいきません・・

・・と、そこへ、小さい子ども二人連れた年配のマダムが、ワタシの隣りにやってきました。

仕事で抜けらなくなった息子に突然頼まれおっとりがたなで孫を学童保育へ迎えに行き、ひとまずここでやれやれ、という旨を、元ダンサーのギャルソンに説明なさっています。

息子夫婦は離婚に向けて別居中、ということも聞こえてきました。フランスではちっともめずらしくない状況です。

「あなたがた、何にする?」
と、マダムはメニューを目からうーんと離して読みながら、孫に話しかけています。
「ジントニックはどう?」

「ボクたち子どもだからお酒は飲めないよ」
と、8歳ぐらいのお兄ちゃんのほうが真に受けて返答しました。

子どもたちは、砂糖がけのクレープをたのむことになったようです。

マダムはというと、
「この時間だもの、キールにするわ」

キールは白ワインのカシスリキュール割りで、食前酒の定番です。

そうこうするうちにこちらも迎えの時間となりました。

「マタネー」
と、カウンターの内側にいるコワモテのオジサンが、誰に教えてもらったのかいきなりシナシナっとした女のコっぽい発声の日本語で挨拶してくれるのも、いつものことです。


P1000327.JPG
「の」というんですがその前の漢字が日本人(観光客)には読めないんじゃないの?  と、立ちどまってじーと見るうちに、これかならずしも「の」ではないのではと思い始めました。@みたいな記号かしら。

前菜は、カボチャのポタージュ
主菜は、鶏ロースト、じゃがいもとトマトのロースト、いんげん塩茹で

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