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立ち呑み日記・空気の味? [晩ごはん]

「貧乏人のガスパッチョ」を作ってみようじゃないの
と、実家近くのスーパーで不意に思いつきました(ただ今日本に一時帰省しております)。

それというのも、乳製品コーナーで、アーモンドミルクを見つけたから。

ヘーエしゃれたもの売ってるのネ、と、しげしげ眺めてみれば、
「お客様のご要望により仕入れるはこびとなりました」
の文字。

アーモンドミルクって日本で今、流行の兆しがあるんですか?

パリのスーパーでは、あるとすれば健康食品コーナーで、そう一般的なものでもないように思します。ところかわってお隣りスペインでは日常的。

7月に、古くからの友人三世帯で一軒家を借りてバカンスを過ごしたんですが、スペインから合流した友人一家は冷蔵庫の残り物一切合財を車に積んで来て、そのなかに使いかけのこれがあったんです。

「白いガスパッチョ」を、これで作ります。これこそが、またの名を「貧乏人のガスパッチョ」。

なぜというに、ガスパッチョはトマベースで野菜満載の真っ赤な冷製スープですが、白いほうは残り物のパンとニンニクとアーモンドというスペインではもっとも安価で食生活の底辺を支える食材のみで構成されているから。

アーモンドはそのへんに生えているものをもいで具にしたようです。

作り方はいたって簡単。

パン、ニンニク、アーモンドを水に浸して、あればアーモンドミルクも加えてハンドミキサーでガーッとやり、塩、胡椒、オリーブ油で味をととのえる。以上。

氷を入れてがしゃがしゃかきまわし、つめたーくなったところを冷蔵庫で待機させます。

7月のバカンスでは一点曇りなき青空の下、テラスの日陰の遅い昼食に白いガスパッチョをごくり、またごくりとやりましたが、ニンニクのキリッとした風味に続いてアーモンドのまろやかな芳香が鼻に抜け、一気に汗がひくようでした。

デワデワその味を実家で再現といきましょうか。ここのところ日本列島は猛暑に見舞われ、38度などというオソロシイ気温。

いかにもガスパッチョ日和です。

アーモンドミルクは、やや困ったことに砂糖でうっすら甘味がついていました。マ、ドブドブ入れなければダイジョブです。

実家のミキサーは小ぶりで、大ざっぱにドサドサ入れてガーッとやったら、あろうことか周囲へあふれ飛び散り大いに閉口しました。

「ザツなことしないでちょうだいッ」
と、老母の叱責。

台布巾で一帯をフキフキして、今度は
注意深く、そぉーっとそぉーっと、(ガーッ)・・・

全体がもったりしたところへ水道水でかげんしたら完成です。味見すると、バカンスで食べたあの味でした。

が、なぜかちっともおいしくない。ウーム・・と、食卓に出しながら首をひねりましたね。

あれはやっぱり、湿気のない、大西洋に程近い空気がひと味もふた味も加えてるんでしょうか。関東平野の、クーラーのきいた食卓では冷製スープというより、
ニンニクとアーモンド風味パン粉の水溶き
の域を出ませんでした。

「お味噌加えたら多少マシになるんじゃないかしら」
と、老母は食卓に取り分けた小どんぶりをざっと全部鍋に戻すと、だしのもとまで加えてさっさと火にかけ始めました。


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はっ。写真撮り忘れたので大急ぎでバッグをごそごそしてパチリ。小学校の同窓会でおいしくたのしいひとときを過ごしました。

前菜は、メロン
主菜は、ホタテ貝柱のフライ、じゃがいもピューレ、モロッコいんげん塩茹で


立ち呑み日記・クックドゥ [晩ごはん]

彼女が飯に「クックドゥ」とか使ってるとムカつく、
というツイッターへの投稿が、たいへんな反響を呼んでいるのだそうです。

「クックドゥ」は手抜き、という同意意見と
「お前が食いたいのは飯か? それとも彼女の苦労か?」
というような反論による応戦。

それにして冒頭のこれ、「彼女」を「オカーサン」にかえて、しかも本人を前に言ってごらんなさいナ。

「だったら食べなくてよろしいッ」
と、ぴしゃりとやられるのは火を見るより明らか。

「ならアナタが今日から家族みんなのご飯作ってごらんなさいッ、毎ッ日、三度三度よッ」
と、小さい「ッ」いっぱいで、EU離脱となってしまった英国よろしく後悔先に立たずの窮地に立たされる可能性さえあります。

「クックドゥ」にむかつき派の青年諸氏は彼女に作ってもらうことばっかり考えてないで、作ってあげようと、なぜ思わないのでしょうか。

「クックドゥ」でもちろんうれしいワ、
と、彼女は言ってくれると思いますぞ。

「ぼくは自分で料理する」
という青年もおられるようでした。この方の発言が火に油を注ぐこととなったもよう。

いわく、
自分は料理する時は豆板醤やかつお節からやっていて、もし彼女がいたら同じレベルでやって欲しいのでモテない。

だからネ、ご自分で二人前作ればモテないもモテるもないの。

それにしても、なぜ「クックドゥ」ばかりがやり玉にあげられるんだか。だってカレールーやスパゲッテイーのソースでそんなこと言いつのりませんよね。

♪クックドゥー、しましょ~・・
と、ワタシなど黒柳徹子の歯切れのいいCMが目に浮か上がります。

「山口智充や杉崎花でしょ?」
という声が聞こえてきたようなので弁明しますと、1978年、発売当初のCMは黒柳徹子だったんです。

チンジャオロースー、
という料理名もこのとき日本中に浸透したのではないでしょうか。

1980年代後半、ワタシが学生でパリに住み出したころ、早々と日仏家庭を築いていた年上の友人などは一時帰国するたびに「クックドゥー」を買いこんで来るといって戸棚を見せてくれたものでした。

お客様を招いての夕食を中華の献立にするとき手の込んだ炒めものをいっぺんに何品もは大変なので、一皿は手品のようにさっとできるのがとっても重宝、とのことでした。

コレワコレワいいこと聞いた、
と、ワタシも後にパリで所帯を持つと日本からゴッソリ持ち帰り、台所の棚に背表紙を並べました。

が、思わぬ難題に直面します。

フランスで肉は塊で買うもので、薄切りも、ましてやチンジャオロースーのような細切りなど、家庭用包丁とドシロートの技能ではどうにもならない。

それに、麻婆豆腐はワタシの大好物ながら、うちのフランス人のオトーサンはじめフランス人の友人連が「辛い」と敬遠。

1990年代中ごろから街中のそこかしこに安価なテイクアウト中華ができ、中華料理はなにもそこまでがんばって家で鍋ふるわなくても、うんと気軽に食べられるようになります。

台所の棚にずらっと並んだ背表紙は、その後補てんされることなく今日に至ります。

でもワタシ断然、クックドゥの味方デス。


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11歳のムスコの「欲しい欲しい」で買った、マンガ『デスノート』。日本語て読んだことはないんですが、外国語になるととたんに吹き出しの中のセリフの量が増える気がするんですけど、どんなもンなんでしょうか。

前菜は、トマトサラダ
主菜は、牛肉と輪切りニンジンの赤ワイン煮、蒸しじゃがいも、グリーンサラダ



立ち呑み日記・マカロニチーズ [晩ごはん]

「魚が入ってるのかよー」
と、11歳のムスコの絶望的な声をあげまいことか。

お昼に、昨夜の残りのエイをほぐしてこれも残りのマカロニとカリフラワーの上にのせ、やはり残りのケッパー入りクリームソースをかけまわし、おろしチーズでグラチネにしたんです。

(くふふ)
と、ムスコはその耐熱皿がオーブンに入るのを横目で追って満足げだったんですが。

チーズ焼きを嫌う子どもはいませんからね。チーズとクリームにからめたらニガテな魚だってスルリと食べられちゃう(と、ふんだ)。

魚を一段低く見るクセ、何とかならないものなんでしょうか。

フランス人のオトーサン(ワタシのオットです)も、
今日は魚となると、
「昨日の肉残ってる?」
と、食卓で開口一番に言い出すほど。

うちは昨夜、エイのクリーム&ケッパーソースでしたが、例によって食卓はがっかりの雰囲気濃厚でした。が、家族一同、お皿のものはなんとかちゃんと終わらせました。

一夜明け、食べ盛りの身にお昼といったら晩御飯にまして楽しみにしているっていうのに、よりによって
「また今日もお魚を食べなきゃならないッてゆうのっ」
と、いうのがムスコの言い分です。

「だいたいね」
と、ムスコは口をとがらせます。「チーズマカロニと思ったんだよ、そういうお腹の空き具合になっちゃったんだよ」

オーブンに入ろうとしている耐熱皿を、おろしチーズをたーっぷりまぶしつけたマカロニ「だけ」と、決めつけちゃったんですね。

確かにまあ、脳および胃が
(今からこれ食べるゾ)
と、準備態勢がすっかりととのったところで足元をすくわれるのは、大人だってむずかしいです。

ましてそれが大好物だった日には、恨みつらみを一切口に出さず目の前に来た別の料理と向かい合えるというなら、これはもう大人物。

「あれ食べたかった―」「ほんッと食べたかった―」
と、ひと言ふた事嘆かずにいられません。

そのあたりの心情はわかりますので、ムスコの嘆き節はいちおう冷静に受け止めました。

それにしても、チーズマカロニというのはラーメンやピザに通じる、魂をわしづかみにするような、そういう激しい魅力を秘めてますナ。同じような料理なのにマカロニグラタンには冷静に対峙できるのはどうしてなんだか。

チーズマカロニないしはマカロニチーズといったら、アメリカの国民食だそうです。本場ではクラフト社のスライスチーズを、茹でたマカロニにかぶせてオーブンでひとあぶりだそう。

英国でも好まれ、こちらはチェダーチーズをからめるそうです。

フランスはおろしたエマンタールチーズの袋入りがスーパーで気軽に買えますが、かたまりを直前におろすほうが格段においしいです。

グラチネもいいですが、さっとからめて糸ひくところをハフハフ食べるのもまたヨロシイんですよねえ・・

・・・仕方ない、今日の夜のつけ合わせはマカロニチーズにしよう、と、オカーサン(ワタシです)は晩ごはんの算段を内心始めましたが、ムスコがあまりにもピーピーブーブー嘆くので、
「そんなに食べたくないなら食べなくてよろしいッ」
と、コワイ声がつい出ました。


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はっ。写真撮り忘れた。大急ぎで朝ごはんのビスコットの箱をテキトーにパチリ。

前菜は、トマトサラダ
主菜は、七面鳥ささ身ムニエル、モロッコいんげん塩茹で、マカロニチーズ


立ち呑み日記・ミズナ [晩ごはん]

「冬の葉ものといったら、ミズナだね」と、マルシェのパリ近郊農家の屋台で、行列の先頭のお客に話しかけているご主人。

ご主人自ら畑で育てた野菜を商っています。

「ミズナは日本の野菜なんだぜ」
と、他のお客にもちゃんと聞こえるようダミ声を張り上げてくれるので、後方で番を待つ日本人のオバサン(ワタシです)も密かに鼻ピクピク。

ミズナmizuna、とこう、和名がそのまま採用されているのも晴れがましいです。

同じ外国野菜でも白菜はシュー・シノワ(中国キャベツ)ですからね、水菜だってその見た目からベルシール・ジャポネ(日本パセリ)などの通名になってもいいところ、本名を尊重してくれたわけです。

「日本人はミソスープの実にするから、ミズナは青っちょろくてひ弱そうなほうをあえて選ぶんだ」
と、ご主人の説明は続きます。

この年末年始に一時帰国した折に実家近くのスーパーで水菜を見かけましたが、ギザギサで黄緑色の葉もほっそり繊細な茎も、いかにも柔らかそうでした。

目の前の屋台に並ぶミズナは厚い葉の緑濃くて茎も太く、日本人の目からすれば「育ち過ぎ」の感がなきにしもあらず。

「ボクも、ようやくミズナサラダに慣れて来たよ」
と、先頭のお客も口を開きました。「なにしろ味がないときてるだろ」
(ウンウンウン、と、その背後で同意とばかりうなずく善男善女)

ちょっとちょっと、と、後方から割って入りたくなりましたぞ(行列が長過ぎて断念)。われらが水菜を、冬場の葉ものといったら他にないから仕方なくガマンして食べてるとでもいうのッ。

あんまりじゃないのッ。

しかしそうは言いながら、関東育ちのワタシとて水菜に慣れているとはとうてい言えません。ワタシなど、京都の郷土野菜とずうっと思いこんでました。

食べ方だって、漬物ぐらいしか思い浮かばない。

「はりはり鍋」という、鯨肉と炊き合わせた関西の名物鍋があると田辺聖子の小説で読んだことありますが、実物はニオイすらかいだことがない。

パリのマルシェのこの屋台で出会ったのが人生お初と言っていいくらいなんです。

ですから、この年末年始に東京近郊のスーパーで見かけた時には、
(京野菜なのに関東でも買えるんだ・・)
と、水菜の肩をとんとんしたくなったほど(水菜に肩はないナ)。

しかしそれもこれもワタシがウラシマだからで、水菜は21世紀に入ったころから全国区となり、生産量も、もともとの京都府をぐんと引き離して茨城県が全国一だそうです。

2002年に、キューピーが、水菜と小エビのサラダにマヨネーズをかけた、いかにもおいしそうなCMを流したのが引きがねとなり、全国に広まったもよう。

このCM、屋台に並ぶ善男善女にも見せたいですね。

フランス人にとってグリーンサラダは主菜の後の、お酢と植物油のドレッシングでさっとあえた箸休めで、トマトやアボカドなど前菜のサラダとは一線を画したものなんですヨ。

チコリのほろ苦い葉にアツアツのベーコンや鶏の砂肝をジュッとかけ載せた前菜が、あることにはありますが。

ワタシはご主人の屋台で水菜を買うときまって、茹でて醤油と胡麻油と和えたナムルにします。


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寒空の下パン屋の行列のシッポでうちふるえながらパチリ。早く暖かい店内に入りたい・・

前菜は、アボカド、ライムと刻みコリアンダーで
主菜は、鶏ロースト、じゃがいもロースト、モロッコいんげん塩茹で、グリーンサラダ(ミズナ入り)

立ち呑み日記・キッシュ嫌い? [晩ごはん]

「ホームパーティーが急にキャンセルになっちゃったから」
と、晩ごはん直前に、食通の親戚が、それと名の知れた仕出し屋の大きなキッシュを丸ごと届けてくれました。

「あら自分のぶんは?」
と、聞けば、肩をすくめて
「キッシュで腹ふくらませてもねえ」

あれは立食パーティーのハラの足し用食べ物、
とさえ、言い切ります。

食通のこの発言には否もなく、フランスの小学校や幼稚園では学年末文化祭のような行事というと、
偶数学年が軽食になるタルト(すなわちキッシュ)、
奇数学年がデザートになる甘いタルト、
というように分担して各家庭で焼いて供出し、校庭で立食パーティーとなるのがならわしなんですヨ。

で、ひとくち大に包丁を入れたところをみんなでどんどんつまんでいく。

「グミばっかりでなくキッシュもちゃんとお食べなさいッ」
と、立食ビュッフェのお菓子の紙皿からここぞとばかり好き放題にアゴ動かしているわが子に、どの親もピシャリと言います。

時分どきの学校行事、ちゃんとオナカイッパイにしといてもらわないと、家に何にも用意してないところで帰るなり
「おなかすいた、ゴハン食べてない」
などと言い出されても、困る。

親もまた、本日は解禁とばかりついつまみますね。

キッシュは口当たり軽くつい食がすすんでしまうけどその実バターとクリームごーってりの高カロリーなので日ごろは手を出すのをためらっているところ、
「マ、今日のところはヨシとしちゃおう」、
ト、なるわけです。

キッシュほど、好きかそうでもないかハッキリしない食べ物って、そうないんじゃないでしょうか。

美味しいか不味いかで好きと嫌いに分かれるわけではありませんゾ。味を別にした好き嫌いが、キッシュにだけはあるんです。

現に食通の親戚だって、味には太鼓判を押しながら、手を出さない。

検索して知ったんですが、関西地方のテレビ深夜番組で、
「女性は好むが男性は嫌う料理ワースト10」
という特集があり、堂々のワースト1がなんと、「キッシュ」だそうです。

その理由は、デザートみたいだがそうでもない、オナカイッパイになったのかそうでもないんだかハッキリしない、など、万事あいまいなところにあるようです。

あいまいどころか、ひとたび食べ出すと際限なくお腹に入り、ふと気づいた時にはガツンとオナカイッパイになっていて、ただ今摂取してしまったカロリーいかほどなるか・・と、後悔にうちふるえる、みごとにハッキリした食べ物なんですが。

わが身をかんがみれば、たまさかに外で一人お昼を食べる、なんていう時に、のぞきこんだカフェの本日のメニューの立て看板に「キッシュ」とあると、
(なーんだ)
と、通りすぎちゃう。

なぜというに、食通の親戚に同じく、どうせならキッシュ以外のものでオナカイッパイにしたい。味は大好きなんですがねえ・・

うちの家族一同もまた、キッシュと聞いて小躍りするほうではありません。

そういうわけで、今宵の主菜は微妙な登場とあいなりましたが、さすが名仕出し屋、とおってもヨロシく、あっという間に胃袋へ消えました。


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地球温暖化に関する会議がパリで開かれ、そのイベントとして温暖化の影響でとけているというグリーンランドの巨大な氷がパリ・パンテオンの前に陳列されています。この秋冬は例外的に暖かいので、もう何日かたってずいぶんとけてしまいました。はっ。これが温暖化・・

前菜は、ニンジン千切りサラダ
主菜は、サーモンのキッシュ、いんげん塩茹で、グリーンサラダ、鶏ローストの残り

立ち呑み日記・コキール [晩ごはん]

そういや長いことコキール食べてないナ、
と、歩きながらこつ然と思い出しました。

似たものどうしのエビグラタンは、前回一時帰国の折に学生時代の友人とデパート楼上の洋食屋さんで食べました。

海老の入ってないふつうのグラタンならうちでわりにしょっちゅう作って食べてます。が、コキールはとんとご無沙汰。

ワタシが子どものころは、たまさかに食卓に上ったものでした。

オトーサンが仕事帰りに駅ビルののれん街あたりで買った、閉店時間間際の投げ売りか何かだったンじゃないでしょうか。

そしてもうひとつ、こういう温めればいい出来合いおかずって、電子レンジの普及と関係があったのだろうなあ、と、今となっては思いますね。

うちの台所にも電子レンジが入っていたので、コキールもチンして食べました。

「コキールとグラタンの違いとはだね、」
と、オトーサン(ワタシのオトーサンです)は食卓でエバりくさって説明したものです。
「グラタンにはマカロニが入ってる、コキールには入ってない」

かわりに貝のふちにじゃがいもピューレが絞りだしてあるのがコキールであるぞ、と、無暗にエバる。あのころのオトーサンというのは理不尽なまでにエバりました。

(どうせならグラタンのほうがよかったな)
と、思いながら、ワタシなどフォークでつついたものでした。

なぜというにせっかくおいしいホワイトソースにマカロニが入ってないのではあまりにもたよりない。

ふちを飾るじゃがいもピューレはホワイトソースとあいまって歯ごたえがなく、「食べたーッ」という満足感に乏しいキライがありました。

今となればそれがなぜだかよおくわかります。コキールは温かい前菜で、これ一品でオナカイッパイにするものではない。

フランスの魚屋に売ってるんですヨ。それもホタテ貝にぽってり詰まり、ワタシが子どものころ食べたのと寸分たがわぬ様相で・・

・・おっと、すこーし違います。上に三日月型のひと口パイがひとつのっかっている。

これを人数分買ってオーブンで温めるわけですが、出来合いって味が濃いですよネ。ずいぶん前に一度だけ買いましたがしょっぱすぎて閉口し、以来遠目にその存在をながめるのみになりました。

コキールはそういうわけで発祥はフランス料理でありましょうが、日本へはアメリカ経由で入って来たんでしょうかネ。

コキー「ル」という英語風の発音。フランス語ではコキー「ユ」です。

読み方間違ったんじゃないの? と、学生時代、フランス語勉強し始めの生意気盛りには鼻を明かしたぐらいまで思いましたが、そういうわけでもないんじゃないでしょうか。

だって、ミルフィー「ユ」も、とらば~「ゆ」も難なく定着した。それ以前の戦後まもなくには『それい「ゆ」』という雑誌が少女たちの心をつかんでいた。

いずれも~lleと綴ります。

コキールのことせっかく思い出したんだから今晩あたり食べてみようかナ、と、考えてみないこともないものの、やっぱり手がのびないのがコキールのような気がします。


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リュクサンブール公園のボードレール像です。この像のところまで「行こう」と思うと迷ってたどり着けないのに、何にも考えず歩いていると不意に現れるから不思議。

前菜は、バジリコをふったまずいイチゴのサラダ
主菜は、ハンバーグステーキ、マカロニ、モロッコいんげん


立ち呑み日記・ジモイタ [晩ごはん]

ウーム・・
と、メニューにらみながら、にっちもさっちもいかない気持ちになって来ました。

ただ今、家族でいつも行く近所のイタリアンレストランに晩ごはんを食べに来たところ。

イタリアンレストランといっても本格派ではなく、フランスの庶民の食習慣に迎合した、グルメから敬遠されるクチの店です。

地元近所のイタリアン、ジモイタとでも呼んでみましょうか。このテのジモイタは、たとえばスパゲッティはアルデンテとはなんじゃらほいとソフトめん風が出て来ます。

うちのオットがまさにそうなんですけど、フランスの庶民はアルデンテが固いと嫌うんですヨ。

ジモイタは、
「今日は外で食べちゃおっか」
ぐらいの軽―い気持ちで行きます。

大ご馳走に立ち向かう心づもりはさらさらなく、ということはお財布もそうそう開くつもりはない。

まわりを見回すと、お腹にたまるひと皿と飲み物にデザート、くらいでしょうか。まことに遺憾ながら「サイゼリア」はパリになく、主菜ひと皿11~17ユーロくらい(約1500~2300円)と、気軽な外食でも日本より高くつくのは否めません。

そのなかでメニューから何選んだらいいのか。

無類のピザ男、10歳のムスコは、
「ピザ・マルガリータ」
と、相場が決まってますから、席につくや
「まだぁー? まだぁー?」
が、すぐさま始まります。

フランス人のオトーサン(ワタシのオットです)はミックスサラダとジモイタ定番ミラノ風カツレツ。前菜のミックスサラダは半分残しておいて主菜の合いの手にもする心づもりです。

ジモイタの肉の主菜にはきまってスパゲッティーが付け合せとして同じ皿に乗ります。

「うッそォー」
と、本場イタリアの方々はのけぞるんじゃないでしょうかネ。本場でスパゲッティーといったら別皿の前菜です。

インゲンやポテトなどつけ合わせの温野菜もメニューにありますが、当然ながら別料金がつきます。注文してもいいですけどけっこうなボリュームが加わり、食べ切れないキライがあります。

さあここで日本人のオカーサン(ワタシです)は毎度毎ッ度、悩むんですよねえ・・、何注文すればいいんだか。

ワインの合いの手に、生ハムミやらモッツァレーラやらパプリカの焼いたのやらの「前菜盛り合わせ(大)」は、なんとしてもまずたのみたいです。

問題は次。前菜盛り合わせはなにしろ(大)で六、七分通り食べた感があるものの、もう少しだけ何か、温かい料理もまた食べたい。かといってスパゲティーつき主菜はあンまりにもガツンと来過ぎです。

さあどうするッ、と、メニューにらんで八方ふさがりになるわけです・・

・・というわけで、本日もまた、魚介のフリッターを消去法で選びました。この一品、とおってもヨロシイですが、いかんせん量が多すぎる。

しかも野菜のやの字もなく、烏賊リングと海老のフリッター、これひたッすらの「ばっかり食べ」なんです。かといってただでさえ多いところ別皿で温野菜をとった日には食べ切れない。

いずれも(小)があったオツマミに最高なのになあ、と、ため息つき、仕方ない、本日もまた揚げ物の「ばっかり食べ」とあいなりました。


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10歳のムスコ愛読の「ゲームオーバー」というタイトルのマンガです。ワタシらの言葉に翻訳すると「だめだこりゃ」テナ感じの落ち。


前菜は、バジリコ風味トマトサラダ
主菜は、牛(フォーフィレ)ステーキ、パプリカとズッキーニのグリル、ニンニク風味パセリ入りじゃがいもピューレ


立ち呑み日記・パスタくるくる [晩ごはん]

10歳のムスコとの三泊四日のイタリア二人旅を終え、ローマ・フィウミチーノ空港のカフェテリアに席をとり、やれやれ。

フライトがちょうど晩ごはんの時間にかかるので、乗る前にお腹いっぱいにしておこうという算段です。ローマ・パリ間は2時間。国内線と同じく飲み物とクラッカーしか出ません。

そこでムスコは大好物のピザ・マルガリータとコーラ、オカーサン(ワタシです)はサラミ盛り合わせと白ワインをとり、本場モノの食べおさめとします・・

・・とそこへ隣りのテーブルに、首から名札をさげた空港スタッフの男性がセットメニューの載ったお盆を置きました。

夜勤の空港スタッフも旅行者と同じところで食べるんですネ。毎日となると値が張りそうですが。

本場イタリア紳士が選んだ晩ごはんはと横目をつかうと、プリーモ・ピアット(第一皿)にトマトソーススパゲッティー、セコンド・ピアット(第二皿)に鶏肉ローストとコントルノ(つけ合わせ)のほうれん草ソテー、フルッタ(水菓子)にバナナ。

一般家庭の晩ごはんもこんな感じではないでしょうか。

考えてみれば今回、イタリア人がお食事しているのを目の当たりにするのはこれが初めてです。なにしろちびすけといっしょですから、地元民に人気の店へ足をのばしてみたくてもままならず、手近な、観光客相手の店ばかり。

「スパゲッティーをフォークとナイフで切って食べている外国人観光客であふれかえっているような店はいただけない」
と、『地球の歩き方』にありましたが、まさにそういう店です。

ここで糾弾されている外国人観光客って、フランス人じゃないでしょうかネ。

パリのピッツァリアではそうやって食べている人があんがいいますし、切らないにしてもナイフを添えるのはフランスの習慣です。

さて、隣席の本場イタリア紳士へ横目どころか(おおおおお)と目が釘付けになっちゃいましたぞ。スパゲッティーのフォークくるくるの目ざましいこと。

くるくるくるっとフォークが軽やかに動いたかと思うや見事なひと口大となり、それはもうスパゲッティーがびょろびょろ飛び出している箇所が1ミリたりッともないひと口大を、ぱくり、と、いきます。

カミカミ、ごっくん、再びくるくる、ぱくり、カミカミ・・。流れるようにお皿の小山が片付いていきます。くるくるのさりげなさと確かさ。免許皆伝とはまさにこれなり。

日本でパスタはもはや国民食といっていいほど浸透してますが、くるくるに関しては形骸化してはいないでしょうか。

ワタシなどそうなんですけど、くるくるは一応するものの、全部巻き終わらないうちにぱくっといっちゃう。そして噛み切る。

そうするべきではない、と、頭では重々判ってはいるんですがねえ・・

隣席のイタリア紳士がくるくるを昨日今日体得したわけでないのは火を見るより明らかです。離乳食を終えてこのかたマンマにしっかり躾けられたんだろうなァ・・

・・と、感心ばかりしていていては搭乗時刻になってしまうので、上品な風味のイタリア産サラミを、これもイタリアの白でぱくり、グビリといきました。


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出すのぎりぎり間に合いました。せっかくだから当分飾っておきたい心境(だからこそもっと前から出しておくべきだった)。

前菜は、トマトサラダ
主菜は牛挽き肉ステーキ、カレーライス、モロッコいんげん塩茹で







立ち呑み日記・隣りの晩ごはん [晩ごはん]

うちの隣りのドアから、晩ごはんを準備しているいーいニオイがしている。

牛肉ステーキだナ、肉は高からず安からずの部位だナ、ニンニクとローズマリーとタイムもパラッとやってるナ、表面こんがり中真っ赤のミディアムレアだナ、と、すぐにわかります。

それが、実に実に不思議なんです。このニオイ、ワタシが焼くときと瓜二つのニオイなんです。こんなことってあるでしょうか。

同じ牛肉なんだから当たり前でしょ、と、思われたでしょうが、とォんでもない。

プロはあれとして家庭でなら、百人料理する人がいれば百通りの味つけがあり、と、いうことは百通りのニオイが、あります。

たまさかに友人宅でお食事のお招きを受けた折に主菜が牛ステーキだったとして、台所から漂ってくるニオイは明らかにうちのとは異なります。

♪肉屋が違う、ハーブの分量が違う、フライパンが違う、焼き具合が違うぅ~・・
(「イミテーション・ゴールド」でいちおうお願いいたします)

みなさんだって、たとえばカレーを煮込んでいるニオイがただよって来たとして、それが自分とこのカレーかよそのカレーかはどことはなしに区別つくと思いますぞ。と、いいますか、「うちの」はそれとすぐ気づく。

うちのワルガキ二匹も、夕方習い事から帰って来たときなど、
「だと思った」
と、台所のオカーサン(ワタシです)がかき回すワイン煮の鍋をのぞきこんだりするんです。

うちはエレベーター無しの最上階なんですが、階段の途中でワイン煮のニオイに気づき、よそのお宅の晩ごはんと思ってもいいところを「うちの」とちゃあんと嗅ぎ分けるわけです。

だからこそ不思議なんですヨ、隣りから「うちの」のニオイがする。

浮気小咄だと隣りのドアからこちらのツマがはだけた洋服を直し直し出て来るわけですが、そのツマとはドアのこちら側にずっといるワタシですからね。

昨日もそうでした。

夕方、足りないものを買いに出て戻って来ると、隣りのドアからやはりいーいニオイが漂っていて、立ち止まって思わず深呼吸しちゃったほど。

それがまあ味噌汁のニオイ、それも具だくさんに煮込んだ味噌汁です。

どうです、日本人はワタシだけのこの建物でそういう料理といったらワタシ以外に考えられないではないですか。

お隣りは外国人観光客向けの日割り貸しで、しょっちゅう人がかわります。壁の向こうから漏れ聞こえてくる物音からすると、ただ今は英語圏の、小さい子連れご一家のもよう。

最近フランス派は日本ブームで、そのへんのスーパーに密封カップ入りミソスープがふつうに売られてますから、そういうのを買ってきて温めていたとしても何らおかしくないんですが。

でも心なしか、あれはワタシが作る具だくさん味噌汁のニオイなんですよねえ・・

これって超常現象でしょうか?

ドッペルゲンガーが隣りのドアの向こうにいるのか・・

「どっちでもいいから早くごはんにして」
と、フランス人のオトーサン(ワタシのオットです)にせっつかれ、深いナゾを残したまま、こちらも同じニオイをさせて牛肉ステーキを焼きはじめました。



街中の半旗をお見せしたかったんですがカメラが壊れたなりで撮れませんでした。辛く悲しいテロの翌日。学校では数分間の黙とうがあり、10歳のムスコのクラスではポール・エリュアールという詩人の「自由」という詩をノートに写し、暗唱の宿題が出ました。

前菜は、ニンジン千切りサラダ
主菜は、牛ステーキ、ベシャメルソースをかけたカリフラワーとミニマカロニ、グリーサラダ

立ち呑み日記・カレーへの道 [晩ごはん]

「オカーサンのカレーが食べたい食べーたい」
と、晩ごはんのしたくにとりかかっていると課外授業の球技から帰ってきた9歳のムスコが身をよじって言い出しました。

あらまァうちのコったら、願い叶えてやりたいワァ・・

うちは冷蔵庫に残りものがたまると右から左にカレーになります。

が、本日はそこまでの残り物が冷蔵庫に備蓄できていなかった。だいいちカレールウの買い置きがありません。

カレールウはアジア食材店に行けば、日本と同じ品ぞろえとはいきませんが、それに値段もややつり上がることは否めませんが、難なく手に入れることができます。

実を言うとカレールウは切らしていても、ハヤシルウが半分残っていたんです。これを流用すれば、チョチョイのチョイでカレーに転用することができます

が、そんなことしちゃっていいものなんだか。

日本でカレールウを切らしていると気づいたなら、
「裏のコンビニに行って来るワ」
と、ツッカケでひとッ走りすれば難なく事は済みます。

が(今日は「が、」が多いナ)、世界の他の街と比べてパリは日本食素材に恵まれてはいますが、それにしても日本と同じようにはいきません。

アジア食材店は19時に明かりを落としし、時計を見ればそれからすでに半時間が過ぎています。

ハヤシルウとて状況は同じ。

ただ今冷蔵庫で冷えている片割れの「ハウス・バーモントハヤシ」は日本のスーパーだといくらくらいなのか、箱の中に2パック入りで4.3ユーロという値段でした(カレールウもそんな値段)。

ここのところ円安で1ユーロ156円までつり上がってますから、エート、ひと箱670円・・・

・・気になってハウスのHPで調べてみたら、希望小売価格180円(税別)、だそうです(・・くやし泣)。

これだけお財布を開いたハヤシルウの半身をですね、カレーに転用なとどいう贅沢といいますか蛮行に手を染めていいものなんでしょうか。

断じて許せぬとお財布をひらいたわが心の声が言い、
「マいいじゃないの賞味期限が早いうちに使ったほうが」
と、オカーサンとしての声がまた言う。

オカーサンの声に軍配を自ら上げました。

そうと決まれば冷蔵庫の多少の残り物をかき集め、残り肉に小さく包丁を入れ、ニンジン、根セロリなどありあわせの野菜を鍋底にうっすら残ったなりのカボチャポタージュに投入して水をジャーッと加え、煮込んで行きます。

具に火が通ったらハヤシルウを割り入れ、香りのやさしいハヤシソースが出来上がりました。

「ハヤシライスでもいい?」
「やだ」

頭と胃がいったんカレーライスを受け入れる態勢になったところでハヤシライスに路線変更するのは大人でもむずかしいです。

仕方ない、やはり当初の目的通り、ここからカレーへと転身させていくことにします。戸棚に残っていた賞味期限不明の「マドラスカレー」と「コロンボ」投入。「マドラスカレー」はインド風、「コロンボ」はスリランカ風の、カレー粉末です。

両者ともに日本のハヤシとタッグを組み、なかなかそれっぽいカレーになりました。


P1020814.JPG
クリスマスイルミネーションを撮ったつもりだつたんですが夕暮れ時の中途半端な時間でいまひとつネボケた光になっちゃいました。

前菜は、トマトとおろしグリュイエールチーズのサラダ
主菜は、鶏ロースト、じゃがいもとズッキーニのピューレ、いんげん塩茹で

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