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立ち呑み日記・ホモとヘテロ [宿題]

「オカーサン、ブラックコーヒーは『ホモ』だよね」
と、理科の宿題というので教科書開いたなりでのんべんだらりとハナほじっている11歳のバカムスコ。

単元は、フランス語で言うところの
「『ホモ(ジェーヌ)』と『ヘテロ(ジェーヌ)』」
だそう。

ホモは「単一」、ヘテロは「単一でない」ことを表します。

宿題の問いには、搾りたてオレンジジュース、ブラックコーヒー、泥水、牛乳、水道水など液体のイラストが9つ並び、それぞれホモかヘテロか答えるというもの。

その9種類の中に、シャンパン、ワイン、ビールがあるのがいかにもフランスと感心しましたね。日本の小中学校の教科書にお酒が登場することって、あるんでしょうか。

ムスコによると牛乳は『ホモ』と授業でしかとならったそうです。確かに、「森永ホモ牛乳」テのがありましたよネ。

「搾りたてオレンジジュースは混じりけ無しだから『ホモ』だな」
と、ムスコ。

混じり物でホモヘテロが決まるなら、ブラックコーヒーはヘテロでありましょう。コーヒー豆と水ですからね。

「ビールも『ヘテロ』だって先生が言ってた」

エ、ビールはでも麦芽を発酵させたものだから単一体のはずですが。

「シャンパンも『ヘテロ』だってさ」

フランス人のくせしてなんなのその先生、
と、シャンパンに目がない日本人のオカーサン(ワタシです)は声がひっくり返りましたね。

シャンパンに混じりけがあってたまるもンですか、炭酸ガスを足した安物じゃ悪酔いするばっかりじゃないの・・

・・・と、このあたりで、今思いこんでいるホモ・ヘテロの定義がどうもあやしいと訝(いぶか)りはじめ、ムスコの教科書をひったくってページをさかのぼってみました。

やはり、ちゃんと別のことが書いてありました。

ホモ(ジェーヌ)・ヘテロ(ジェーヌ)は、日本の化学用語でいうところの、均一混合物と不均一混合物。

裸眼で液体に、炭酸水なら泡(i二酸化炭素)と水のように区別できるものが不均一混合物、完全に溶け合って区別つかないものが均一混合物、です。

すると先生がおっしゃるように、シャンパンもビールも泡で区別つくのでヘテロ、つまり不均一混合物なんですね。

たとえば、カフェオレは均一混合物、でもブラックコーヒーに牛乳をたらしたその瞬間(まだ混ざってない状態)なら不均一混合物になります。

「搾りたてオレンジジュースは混じりものなしだから『ホモ』だよな」
などとほざくムスコは授業中なにぼんやりしてたんだか。

搾りたて、というのが問題のミソで、果肉やタネが混じっているのでヘテロ(不均一混合物質)です。

「ワインは『ホモ』」
と、ここまできてようやく理解したムスコは自信たっぷりに書きこみました。

そう・・かも・・しれない。

うちの食卓に毎日のぼるような安ワインに混じり物は確かに見当たりませんが、たまさかに食通の親戚からいただく上等ワインは底に澱(おり)があるものです。

この教科書はシャンパンやビールを持ち出したくらいなんですから、そのワインが上等かそうでないかハッキリさせるべきだったんじゃないでしょうかネ。


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晩ごはん用のパンを買いに出がてら秋空をパチリ。

前菜は、トマトサラダ
主菜は、フォーフィレ(牛肉ステーキ)、小粒じゃがいものニンニクソテー、いんげん塩茹で、グリーンサラダ

立ち呑み日記・カスバの女 [宿題]

11歳のムスコが地理の宿題をやっている・・

・・と、いいますか、宿題があるというので教科書を形式的に開いてハナほじっている。「都市の暮らし」という単元で、欧州、アメリカ、北アフリカの都市のあり方を比較してまとめるもよう。

教科書をのぞきこんでみると、なかなか興味深いです。

たとえば、欧州の都市はギリシャ・ローマ時代の「まち」を基盤に発展し、中世に教会を中心に栄えたところが現在の旧市街となり、そこから外へ外へと広がった。

パリなんかその典型です。

住まいの価格はパリ市内は割高で、隣接する市に戸建て住宅が広がり、さらに高速道路や郊外電車でもっと行った先に天を突く公団団地が密集する。

シカゴなんかはこうじゃないんですってネ。

シカゴはボーイング社、マクドナルド社など名だたる大企業の本社があるアメリカ屈指のビジネスの街なれど、シカゴっ子は市内には住みたがらないのだそうです。

市内にはゲットーと呼ばれる貧民窟があるのみで、お金に余裕の出来た人はこぞって郊外の庭付き一軒家をもとめる。

シカゴ市内の住民と郊外の住民とでは収入が倍近くも違うものだそうです。

教科書にはシカゴ郊外の街のようすが掲載されていますが、碁盤の目のように整然とした車道に沿って、前庭と長方形の戸建てと緑の庭がきっちり並んでいる。

「ET」などアメリカ映画でよく見かける街並みです。

パリはお金に余裕の出来た人は郊外ではなく、東京の成城や田園調布にあたる市内の16区や8区のアパルトマンをもとめるところです。

北アフリカからは、アルジェリアの首都アルジェが紹介されています。

アルジェリアは19世紀から1962年までフランスの植民地で、このとき建築されたフランス様式の高層建築が今日の経済街の主要をなしている、と、なにしろフランスの教科書ですから、やや鼻ピクピクなのはまぬがれません。

「フランス統治以前からある旧市街カスバには鄙びた小さな家ばかりが並ぶ」
と、繁栄は自分らがもたらしたと言わんばかり。

アルジェリアは先年悲惨なテロもありましたが、素敵なところなんですってネ、パリの地下鉄構内の大型ポスターでもよく見かけます。

旧市街カスバはユネスコ世界遺産だそうです。

♪ここは地の果てアルジェリア・・
と、やはり口ずさまずにはいられません。

「カスバの女」は戦前の映画「望郷」に想起した歌謡曲で、懐メロ特集というと耳にしますが、それにしても「地の果て」とは、日本在のアルジェリア人から苦情が出ないものなんでしょうか。

日本からの空路直行便はなく、また、この曲が発表された1955年といったら海外旅行など夢また夢でしたから、「地の果て」はしっくり来たのでありましょうが。

フランスからアルジェリアは、地の果てどころか飛行機でたった2時間、人気のバカンス地です。

いいナ。行ってみたいナ・・

・・とまあムスコがペンもにぎらずボケーとしているのをいいことにオカーサン(ワタシです)がつい没頭しちゃいましたが、これではいっこうに宿題がはかどりませんから教科書をムスコに返し、
「集中してやりなさい」
と、鹿爪らしくやりました。


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この日曜日、クラシックカーのイベントがあったようで、たくさん見かけました。乗っている人も1950年代などその時代にあった服装をしていて、いやはやコレクターの凝り性とはスゴイものですネ。

前菜は、温製ニンジン千切りサラダ
主菜は、七面鳥ささ身のムニエル、ベシャメルソース、カリフラワー、蒸しじゃがいも

立ち呑み日記・国語の思い出 [宿題]

日本大使館で、新しい教科書をいただきました。ムスメは中学1年、ムスコは小学5年になります。

教科書は海外在住児童が右から左へ誰でもいただけるものではなく、在仏日本人会のお骨折りで実現したものです。

大使館の前で、ふくらんだ布カバンを提げたとても深刻な顔つきのオカーサンがたとすれちがいましたが、その意味が、いただいてみてわかりました。

中学生の教科書はブ厚くてたくさんあり、重いなんてもンじゃない。ワタシもまたとても深刻な顔になってリュックを背負います。

が、バス停につくや重いところをすぐさま下ろすんですね。新しい教科書のニオイを、役得でクンクンしちゃおうという魂胆です。

真っ先に、国語。ワタシらのころは小説の単行本ほどの大きさでしたが、今は判型がひと回り大きくなっています。カラー写真も美しく竹久夢二など素敵な絵がたっぷり。

このなかに、「少年の日の思い出」(ヘッセ作・高橋健二訳)が、ありました。

みなさん憶えてます? ワタシは先日友人におしえてもらうまで、まるッきり忘れてました。

「少年の日の思い出」は60年にわたり中1の国語の教科書のどの出版社版も採りあげていて、今日でも6社のうち5社までが載せているそうです。

しかしヘッセの故郷ドイツではどの全集にもこの作品は入っていないのだそうな。つまり、世界中で日本の教科書でのみ読めるヘッセの作品、ということになります。

「少年の日の思い出」は、ドイツ文学者高橋健二が敬愛するヘッセをドイツに訪ねた際、帰り際に
「汽車の中ででもお読みなさい」
と、ヘッセ自身から手渡された新聞小説の切り抜きを翻訳したもの。この新聞小説の切り抜きの実物は、鹿児島の大学図書館だかが大切に保存しているのだそうです。

かくも貴重なる文学を、ワタシなどなぜに忘却の彼方へ追いやったか。

何かしら思い出せないかとがんばってみたところ、ちょうどそのころお腹の大きかったお若く美しい国語の先生の立ち姿と、その先生が上履き代わりになさっていた当時流行最先端の色柄スニーカーまでたどりつきましたが、肝心の授業内容はまるっきりダメです。

授業中ハナほじって教壇の上を左右に動くスニーカーをボケーと眺めていただけなのは歴然。

しかし幸いなことにワタシの手には今、ぴっかぴかの教科書があります。

インクのいいニオイ・・・
と、鼻の穴がくっつかんばかりにクンクンしながらページをめくり、40年前の自分になり代わって、読みました。

物語は、紙の空き箱に鱗翅目の採集標本をするのが趣味の男の子が、隣家の優等生的少年のめずらしい蛾の標本を嫉妬心から盗んでだめにし、母親に肩を押されて謝りに行くも罵られもせず冷静なひと言と軽蔑の視線を浴びせられるのみで、心の苦しさから大切にしていた自分の蝶・蛾の標本をひとつひとつ指で粉々に押しつぶすまで。

男の子の心の動きのいかにも細やかな、考えさせられることの多い物語ですが、ワタシは蝶と蛾がサブイボたつほど大のニガテで、忘却の彼方に押しやった要因は(これだな)と、今ハッキリわかりました。


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歩いていたら感じのいい広場に出たのでパチリ・・とやったところへムスメが横合いから邪魔を出しました。

前菜は、生ハム、モッツァレーラチーズ、ピクルス
主菜は、仔牛エスカロップのグリル、茹でたほうれん草







立ち呑み日記・地理の宿題 [宿題]

11歳のムスメが社会科で、グレート・プレーンズについて内容まとめの宿題を持ってきました。

グレート・プレーンズはアメリカ中央部に広がる大平野で、「世界の食糧庫」と呼ばれる穀倉地帯。教科書には航空写真が掲載されており、整然と長方形に区切られた緑また緑です。

広大な長方形の角地に、ぽつり、ぽつりと点在する住居。ここは世界でもっとも人口密度の低い農業地帯なんだそうです。

整然とした長方形は、19世紀に開拓団が入植した折にそれぞれへあてがわれた土地範囲をそのまま踏襲しているため。ここに住んでいる人たちは開拓当時の心意気を受け継ぎ、ロデオなどの伝統行事を大切にしています・・

・・テナ文章をムスメの背後から拾い読みし、ヘーエ知らなかったワ、と、なかなか感心しました。

宿題は、その写真の横に添えられた農業に関する図表を読みとって五行程度の文にまとめよ、というもの。

図表は、こうです。

A 工業化(種苗、機械、農薬、化学肥料)
B 各種サービス(銀行融資、天気予報、獣医システム、農業技術コンサルタント)
   ↓
農業生産
   ↓
アグリビジネス(小麦粉、パン、ブリオッシュ、ヨーグルト等)
   ↓
海外輸出、大手小売店、レストラン

ムスメの手元をのぞきこむと、図式の言葉を右から左に列挙して「そして」でつなげてるだけで、身もフタもないったらありゃしない。

ここはホレ、
「工業化と各種サービスの後押しにより安定的な大量生産ができ、収穫物を全面的に買い取るアグリビジネスと表裏一体であるため大手小売店で安価で大量に販売でき、海外輸出による経済効果も高い」
テナ感じにまとめるのが「すじ」でしょうが・・

・・と、ムスメの頭をこづこうとして気づいたんですが、図表の最後の「レストラン」は、やや唐突ではありますまいか。

大量生産とアグロビジネスの図式なんですから「ファストフード」だったらわかります。が、あまつさえイラストも、お皿の背後にワイングラスと水のグラスが並んだ正調フランス料理様式になってる。

この図表をもしミシュランの星付きシェフが見たら、「大手小売店」に横並びする「レストラン」などレストランにあらずと怒り出すんじゃないかなあ・・

・・と、要らぬ心配するうちになんとなーく解ってきましたが、レストランを「外食産業」と考えるとまあしっくりいきそうです。

おそらく、そこまでの難解な単語を使わずともフランス人子弟がイメージできるようにと「レストラン」としたんでしょうネ。

アグリビジネスの箇所の例にしても、小麦粉、パン、ヨーグルトは当然として、ブリオッシュ、これなどわざわざ横並びで特記すべき加工品でしょうか。

が、フランス人にしてみればあった方がしっくりくる。

「パンがなければブリオッシュを」
と、謂われたほどですもんね。

日本の中学地理でもグレート・プレーンズは習うようです。

フランスとは学び方がまた異なり、小麦粉地帯、トウモロコシ地帯、酪農地帯等を白地図に書きこんだり地名を暗記したりするもよう。

「アメリカは国土は広いが試験に問われる範囲は狭い」
のがこの単元の特長だそうです。


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しまった今日写真撮り忘れた! と、大急ぎで窓からパチリ。ただ今21時10分前、陽が長くなってきました。

前菜は、トマトサラダ、ミートソースサモサ
主菜は、オムレツ、パフリカとズッキーニのオーブン焼き、じゃがいもソテー

立ち呑み日記・ペリット [宿題]

「オカーサン理科の宿題手伝って」
と、学期休みも最終版の金曜も午後になって11歳のムスメが言い出しました。

宿題の要領をまとめたノートをのぞきこむと確かにこう書かれています。
[家のひとに手伝ってもらって漂白剤を希釈し、中身を浸けて白くする]

ムスメが二週間ほったらかしていたカバンからとり出したのは、昔の(と言うのもあれですが)写真フィルムのみたいな筒。なにやら黒っぽいものが入っています。

これ、ペリットというんだそうです。フクロウのゲロ(お食事中のかた失礼いたします)。フクロウは肉食ながら歯がないので獲物を丸呑みにし、骨など消化しなかったものを丸めて吐きだす。

ということはそのペリットを丹念に調べれば、フクロウが食べた小動物の骨格全部を採集することができるわけです。

その何が素晴らしいかというと、解剖となったら生物をどうしたって殺生しないとならないところ、そういう局面無しで動物の骨格が観察できる。

今世界的に流行っている理科実験で、日本では大阪の動物園などが近隣の学校に協力しているそうです。

さて、オカーサン(ワタシです)はいつも使っているカフェオレボールに台所の漂白剤を適当に希釈して、黒っぽいものをどぼん。

「先生は何分くらい浸けろって?」
「知らない」

急須の茶シブだって一昼夜は浸けますからそのぐらいはかかるんじゃないでしょうか・・・ってことは、学期休み残すところ二日に迫った今、ちゃんと間に合うんだか。

ムスメの手からノートをひったくると、
[集めた骨を乾かし、]
[黒い紙の上に骨の部署ごとに分類して]
[瞬間接着剤で貼り、それがすっぽり入る紙箱に入れて提出する]

こんなに材料のいるものをなぜ今まで出さなかったッ、と、どうしたって仁王立ちにならざるを得ません。

おっとりがたなで文房具屋へ黒い紙と瞬間接着剤を買いに走りました。紙箱はポケモンカードなどを片付けるのにいくつかとってあったので、なんとかなります。

紙箱と急に言われたって無い家庭のほうが多いのではありますまいか。

一夜明け、白くなった骨(野ネズミだそうです)を苦心して集めたんですが細かいのなんの、肋骨なんてまつ毛みたいです。

ピンセットを常備している家庭って、あるんでしょうかネ。うちは割り箸でなんとかつごうしましたが。普通の毛抜きでカフェオレボールからつまみ出すのは、やってはみたものの不可能でした。

瞬間接着剤で貼っていくのがまたむずかしかったです。割り箸のほうにまつ毛みたいなのがくっついちゃう。

それでもなんとか大腿骨、頭蓋骨、肋骨および背骨(砂と見まごう破片)、数ミリの手足の骨に分類して貼ることができました。

ムスメはこれらの細かい骨を一瞥(べつ)しただけでたちどころにどの部署か言い当てます。フランスの子どもは鶏丸焼きをしゅっちゅう食べるので、見慣れているんですね。

「腿肉ちょうだい!」と、一番おいしいところを要求するためにも知ってないとならない。

鶏丸焼きを食べて骨を分類して絵に描け、という宿題にすれば材料いらずでもっといいのに、と、理科の先生にアドバイスしてあげたいくらいです。


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ベルサイユ駅行きの電車に乗ったら「鏡の間」になってました。

前菜は、野菜ポタージュ
主菜は、仔羊腿肉ソテー、レンズ豆の煮込み、カリフラワーとブロッコリー塩茹で、グリーンサラダ

立ち呑み日記・蟹座と山羊座 [宿題]

地理の単元テストがある、と、この9月に中学へ上がったムスメが、世界地図の白地図を持ってきました。(フランスの学制は日本の6・3・3制とは異なり5・4・3年制です)

経度、緯度、子午線だのが範囲だそう。

そういや昔やったなあ・・と、中学だったか高校だったか、地理の女性の先生の声やら物腰やらを不意に思い出したんですが、緯度がどっちで経度がどっちだったかなどはとんと定かでは、ありません。

エート、と、日本人のオカーサン(ワタシです)は机の下で辞書引き引きにならざるを得ない。

目をシバシバして辞書と首っ引きになったところによると、赤道と水平が緯度で、直角が経度でした。パリと旭川は緯度が同じなんて言いますもんネ・・

・・などと感心している場合でなく、そんなことは太古の昔から知ってる顔して
「定義をまず口頭で言ってごらんなさい」

そうやってムスメの字で書きこまれた白地図を追っていると、あれれ、蟹座だの山羊座だのって、いったいなんなの? ・・・

・・と、再び机の下でごそごそやり、ヘーエと目を見張りました。

北回帰線、南回帰線のことなんですネ。欧米諸国では、蟹座回帰線(北)、山羊座回帰線(南)、というふうに呼ぶことが多いんだそうです・・

・・ということは、ヘンリー・ミラーの小説『北回帰線』も、原題は『蟹座回帰線』だったわけです。「北回帰」が与える印象から、かっこいいタイトルだなあ、と、ずうっと思いこんでましたが・・

・・ということは、堀内孝雄の『南回帰線』も、翻訳されたら『山羊座回帰線』。

愛するきみを過去の蜃気楼として断ち切り、おれは夢を追いかけ南回帰線を越えて旅立つぜ・・という野性的な熱い男の歌ですが、山羊座となると、山羊座のA型、なんていうように堅実で実直な雰囲気にならざるを得ない。

愛するきみを過去の蜃気楼として断ち切り、ボクは公務員試験受けてお見合いするんだ・・

それもまた佳(よ)き男では、あるナ・・・と、やや混迷していると、メリディアン・ド・グリニッチなる四つ星ホテルっぽい名前が目に飛び込んできました。

ホテルメリディアンはフランスが誇る航空会社エール・フランスの経営でパリの凱旋門の近くにそびえ立ち、ワタシも日本からいらした方に会いに、何度も行ったことがあります。

今は元々の手からはなれ、シェラトンを持つ世界最大の大型ホテルチェーン、スターウッド・ホテル&リゾートの傘下だそう・・

・・と、いうことを地理の授業で学ぶはずもなく、メリディアンとは子午線で、メリディアン・ド・グリニッジとはグリニッジ子午線のことでした(机の下でごそごそ)。

それにしても日本語もまたむずかしいですネ。

子午線とは、子(ね)の方角つまり北から午(うし)の方角つまり南の方角にのびる線なので、こう呼ばれるのだそう。

南北線で、別によかったんじゃないでしょうか。

「でもそれじゃ四ツ谷や溜池山王で乗り換える感じ」
と、言われちゃうとグウの音も出ないんですが・・

・・とまあバカバカしいこと考えてあくびかみ殺しつつ、ムスメの勉強をしっかりみました。


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通りがかったレストランをのぞきこんでパチリ。いいナ食べに行きたいナ。

前菜は、スライスマッシュルームのサラダ、トマトサラダ
主催は、鯖塩焼き、根野菜入りサフランライス、いんげん塩茹で

立ち呑み日記・スイーツおかず [宿題]

「オカーサン、塩忘れてる」
と、8歳のムスコがエバッて宣告する。

ただ今おやつでバターごってり塗ったバゲットの板チョコサンドかぶりついたところです。パカッとバゲットをあけて物々しく差し出すところへ、板チョコの上に卓上の塩をはらり。

パン、バター、板チョコ、塩。この組み合わせこそ「世界一おいしいおやつ」なんだそうです。

塩キャラメルや塩飴など、塩味のきわだったお菓子って、最近とみに流行ってますよネ。塩スイーツ、と、総称されているものだそうです。

そこでつらつら考えたんですが・・

塩気の勝っているお菓子と甘みの勝っているおかずがあったらどちらをとるか、あるいは両方へ手を出すか、さもなくば二者ともに斬り捨てるか。

当代大流行の塩スイーツですが、「キライ」という声も、あんがあるみたいなんですヨ。

キライな方いわく、ふつうの甘さで十分おいしいのになぜわざわざ塩を多めに加えるのか、隠し味なら隠し味で目立とうとせずひっそり隠れていて欲しい。

こういう方はおそらくスイカに塩もキライます。

塩をはらりとやった箇所にかぶりつくとホッペがきゅっと痛くなるほど、甘いんですがねえ・・・と、言ったそばからあれですが、ひと口ごとに塩をふり、全編にわたってまんべんなく塩が行き渡っている、というスイカは、できますればワタシなど避けたいところです。

塩が勝ってばっかりだと飽きてくるんですね。たまには負けてもらわないと。そこで時に塩はらり、時に自然のままで、来年の夏もぜひとも行きたい所存であります。

脳は、甘さよりまず塩を知覚するのだそうです。甘いものに塩を入れると、(しょっぱいッ)と、知覚してから甘みがくるので、より強調して甘く感じるのだそう。

では甘みが勝ったおかずはどうでしょう。これもまた存外ニガテという方が多そうです。酢豚なんかがまさにそれ。

あんかけもおいしいし缶パインも好きだけど何もいっしょの皿に入ってる必要なんかない、テナこと、嫌いな方はおっしゃいます。

そう言われちゃうと、反論するのはなかなかむずかしいです。

だってですよ、かりに缶パインの入ってない酢豚があったとして、これはこれでも十分おいしいだろうなあ、と、想像がつくんです。

「酢豚の缶パインは別に邪魔というほどではない」
と、甘みが勝ったおかず好きは弁護なさるでしょうが、では缶パインをたのしみに酢豚を食べると言えるのか。

しかし地域によっては、おかずは甘みが勝ってこそ、というところがあるようです。鹿児島のさつま揚げはかるかんほどに甘いと聞きますし、北海道の茶碗蒸しはプリンのごとし、とも。

ワタシの母の実家のある青森では、烏賊(いか)めしやマカロニサラダへ白砂糖をごーってり入れてうーんと甘くします。

そうなると、これらもまた塩スイーツの範疇に入れても何ら構わないのでは、という気もしてくるんですが。

ということは、おかずになる塩スイーツ、
スイーツおかず
というのも開発されてしかるべきなのではないでしょうか。

このあたりに、どなた様かビジネスチャンスを見出していただきたい所存であります。


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夕方、早足で歩きながらパチリ。このあとすぐ日が暮れました。

前菜は、トマトサラダ
主菜は、七面鳥腿肉ロースト、じゃがいもロースト、いんげん塩茹で、グリーンサラダ

立ち呑み日記・スペル [宿題]

11歳になるムスメが英語の宿題をやっつけているのを監視しながら、つらつら考えた。サイエンス、って、むずかしかったナ。

みなさん中学高校時代、英単語のスペルってどうやって覚えました?

小学校でローマ字を習い、何でもすらすら書ける気分で中学に入ってみると、英語はローマ字では「ない」ということを、いきなりつきつけられます。

KONNICHIWA! ではオハナシにならず、HELLO! とこう綴らないとならない。

ハロー・キティも今ほど流行ってなかったですしね。あのころはパティ・アンド・ジミーのほうが人気でした。そのなかでどうやってスペルを覚えればいいのか。

LOVEだけは例外です。

L・O・V・E投げキーッス♪ と、しょっちゅう口ずさんでいたおかげで、ラブがLAVUでないことは自明の理でした。できればほかの英単語もキャンデーズにメドレーで歌っていただきたかったです。

ワタシなど「サイエンス」が、どおーッしても憶えられませんでした。SCIENCE、とこう教科書の綴りをじーっと見つめるんですが、どうがんばっても「サイエンス」とは読めない。

SCIにサイの「感じ」が、ない。エンのところはまだわかるものの、スのところもSEととり違えちゃうんですよねえ・・

どうーッしても覚えられない、と、テスト前夜に泣きべそかいていたら、仕事から帰ってひとまずゆっくりしたいオトーサン(ワタシのオトーサンです)がうるさそうにこう言いました。

「寿司エンス、って覚えるんだよサイエンスは昔ッから」

昔ッからかどうかはあれとしても、心理学のサイコロジーPSHYCHOLOGYもまたどうころんでもすらっと覚えられない単語だから、お正月に食べる赤い酢漬けのチョロギをひとまず頭によーく思い描いたところで、プシチョロギー、とこう覚えるものである、とのこと。

しかし英語教育の専門家に言わせると、こういう覚え方は単なる付け焼刃でもっともダメな方法だそうです。

ではどうすればいいかというと、
「発音しながら書く、これに尽きます」

ただ、ワタシなどそれで悔しい思いをしたことがあるんですよねえ・・

もう高校生になってましたが、期末テストの直前、単語帳を見直しながら、おしゃべりもしていた。ワタシの隣りの席のコはオフコースの大ファンで、透明下敷きに入れたシングル盤のレコードジャケットをぜったいご利益があるからと見せてくれるんです。

「オフコースが?」
「オフコース(もちろん)、オフコース!」

そしたらなんと! 試験に「もちろん!」を綴れという問題が出たんですね。そりゃもう自信をもって解答しましたヨ。

そしたらですよ、単語帳ではちゃんと勉強したはずなのに、OF COURSEをOFF COURSEとやっちゃった。気がついた時は後の祭りです。

さてムスメはといえば、フランス語と酷似しているため、さして苦労もせず英単語を綴っているもよう。

が、SHE WANTS・・と、三単現のSがつくべきところで、SHE WANTE・・と、動詞に女性形のEをつけてみたりして、フランス人にはフランス人なりの間違え方があるんだなあ・・と、なんだかつい感心しちゃいました。


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小春日和も昨日まで。お天気下り坂で、これを機に格段と寒くなっていくもよう。

前菜は、トマトとグリンピースのマヨヨーグルト和えサラダ
主菜は、七面鳥のカツ、いんげんと細切りニンジン塩茹で、挽き割り麦のスープ煮


立ち呑み日記・中学英語 [宿題]

「ハウ・オールダー・ユー」
と、この9月に中学生になったばかりのムスメ。(フランスの学制は日本のような6・3・3年制でなく5・4・3年制です)

英語の宿題で、すらすら受け答えができるようにしないとならないのだそうです。

トエニーセヴン・イヤーズオールド、と、オカーサン(ワタシです)は正確に(英語の発音が)答え、
「アンド・ユー?」

テン、と、ムスメ。イヤーズオールドはつけてもつけなくてもいいと言い張ります。

ほんと? と、ムスメのノートをひったくると、あらまホントだ。そうだったかしらねえ、と、はるか遠―い昔の英語の教科書を、なんとか思い出そうとこれつとめました。

みなさん、中学の英語の教科書は、どんな文から始まりましたか。ワタシのは、Hello.I speak English・・・だったように、思います。

その次の課から、アメリカに住むヴィンセントとソ連に住むスタニスラスの、カセットテープによる声の文通が始まる。

チャールズとジミーなどのほうが英語っぽいのに、とも思いますが、当時の東西冷戦の関係に友好を、という意味合いが、この二人にこめられていたようです。

和歌山大学教授江利川春雄先生のエッセイによると、英語の教科書にはそういう時代背景が色濃く反映されているものだそうです。

古くは戦後から昭和40年代初頭まで席巻した『ジャック・アンド・ベティ』。ジャックくんとベティちゃんが表紙で肩を並べているのは、戦後始まった男女共学を表しているものだそう。

ワタシら世代の英語教科書は、英米一辺倒から目を広げ、世界の中の日本という視点で作られていたようです。

ソ連のスタニスラス少年の登場などがまさにそれ。また、日本人や日本文化の登場も増えていきます。

『ジャック・アンド・ベティ』が進化改編した『ニュープリンス』には、ラフガディオ・ハーン作『むじな』が1962年から1986年までの長きにわたり掲載され、思い出深い方もおられましょう。

そのほかにも、留学や海外赴任という設定で日本人が主人公となる割合が増えていきます。

90年代以降は、国際貢献する日本人、という視点が多くなり、英語で世界に飛び出して行こう、という気概に充ちているようです。

さてムスメは英語でもうひとつ会話作文の宿題も、持ってきました。ロンドンからパリに向かうユーロスターの中で出会ったイギリス人との会話を創作せよ。

ムスメは大ファンのイケメン俳優トム・フェルトンを会話の相手に選びました。内容はマ、パリは好きですか? とか、あなたのこと映画で見ましたよ、とか。

ひとしきり初級英語の見本文みたいなのが並んだあと、
ムスメ「Kiss」
トム・フェルトン「what??!!」
ムスメ「Oh,sorry,good bye!」

フランス人は、ことに電話などの別れ際に親しみを込めて挨拶のキスをする代わりに口頭で「ビズ(キス)」と言ったりしますが、英米にそういう文化は、ない。

そのあたりの違いを表した、と、ムスメは言うんですがこの会話、本人に自覚はまだないものの、フランス女が英語圏の男を手中におさめるこれぞ手練手管、テナな感じが、しないでもないです。


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オ、結婚式の写真撮影。バスの中から大急ぎでパチリ。

前菜は、トマトとコーンのサラダ
主菜は、仔羊リブロースのソテー、じゃがいもピューレ、モロッコいんげん塩茹で、クレソンのサラダ

立ち呑み日記・意味調べ [宿題]

8歳のムスコが、意味調べの宿題をもらってきました。先生が黒板に書いた7つほどの言葉の意味を、辞書を引いて調べてくる。

「インターネットでやってもいいって言われた」
と、言い張るんですが、ホントウでしょうか。

「まずは辞書をつかいなさい」

エーだのブーだの言いながら、姉と共用の小学生向け辞典を引っ張りだしてきました。辞書の引き方はとっくの昔に習ってますから、タッタカターと引いて書き写せばいいだけの宿題です。

が、そうは簡単にはいかなかった。

のろのろ筆記用具をとりだし、見るからに何のあてもなく、辞書をパカッと開く。

オッ、という顔で見入るのは、そこにたまたま中世の騎士のカラーイラストがあったからで、目は次に熱帯魚の写真に移り、なんとなくページをめくって、
「やった、ジェット機見つけた」

見つけるのはジェット機の写真でなくて宿題の言葉ですさっさと始めなさいッ、と、どうしたって目がサンカクになっちゃいます。

しかしまあ我が身を振り返っても、辞書でそういうこと、ぐだぐだやりましたね。

国語で新しい単元が始まるときまって、意味調べの宿題が出たものですが、タッタとやったためしがないです。

辞書の小口(こぐち)に印刷してあるページ分けの「あかさたなはまやらわん」を、別にしなくていいのにサインペンでなぞったりする。

かえって見えにくくなり、やや反省するものの、もう遅い。

まいっか、と、いよいよ辞書をめくるんですが、思いつくところあって、トイレット、と、引いてみる。『トイレット博士』というオゲレツなマンガがあのころ大流行していたんです。

トイレットは、便所。小学生にはこれで十分おもしろいんですね。

ブラジャー、なんかも興に乗って引く。

乳あて、と簡潔な説明に、ギャハハハハ、と、笑いがとまらず、明日これ学校に持ってってみんなに見せよう、と、さっそくランドセルにしまおうとして、そうだ意味調べの宿題、と、やっと気づくありさま。

ようやくひとつノートに書き写すと、手なぐさみに辞書のページの角にヒマワリの絵を描いてみたりする。

そうだッ、と、頭の上にびっくりマークが浮かぶいきおいでパラパラマンガを思いつき、次のページにヒマワリの花びらが一枚とれた絵を描く。

次のページは花びらが二枚、その次は三枚・・

「宿題早く終わらせなさいッ」
と、このあたりで、ずいぶん静かなのに不信感を抱いたオカーサン(ワタシのオカーサンです)がのぞきに来て、ぐだぐだは強制的に終結となります。

さて、ムスコもようやく、firmament、なんていう見慣れない言葉を引き始めました。

日本人のオカーサン(ワタシです)は先回りして愛用の仏和辞典を引き寄せ、それが蒼穹(そうきゅう)というむずかしい言葉であることを知ります。

蒼穹は、天空のことです。

「あったー」という雄叫びが出るまで、「載ってない―」だの「わかんないー」だのさんざんこぼし、ずいぶん時間がかかりました。

あと6個、やらないとなりません。やれやれ。


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この高級車の持ち主は、お天気に誘われ繰り出してきたたいへんな人、人の注目を集めながら平然と駐車してどこかへ消えて行きました。

前菜は、メロン
主菜は、舌平目ムニエル、烏賊墨入りスパゲッティのニンニクとバジリコ和え、インゲン塩茹で、グリーンサラダ