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立ち呑み日記・ビッグマック [ランチ]

午前中いっぱい出かける用があったので、ワルガキ二匹のお昼にビッグマックを買ってきました。うちは学校の目と鼻の先なので、お昼はいったん帰って食べるんです。

ビロロ、ピロ、ピロ、ピロ、ピロ・・と、インターフォンを何度もシツッコク鳴らすのは、11歳のムスコ。

「ビッグマック買って来たわよ」
と、開錠しながらインターフォン越しに告げるや、さあ、もんどり打って階段かけのぼって来るのが伝わって来ます。

「手作りハンバーガーよ」でも「カレーうどんよ」でも、ここまで目の色かえません。ビッグマックの威力たるや、スゴイ。

手作りハンバーガーだって捨てたもんじゃないンですヨ、今さっき肉屋で挽いてもらった牛肉を、熱くしておいたフライパンで両面さっと焼いてはさむわけですからね。

が、「やった!」と、にぎりこぶし突き出して喜びはしても、あそこまで慌てないです。

それどころか、熱いところを食べさせようと台所とテーブルを必死に行き来してるのを尻目に、iPADのゲームからすぐには離れなかったり、する。

オカーサン手作りのゴハンは逃げない、と、思いこんでるみたいです。

そこいくとビッグマックは、「逃げる」。テイクアウトの温かい食べ物は今すぐ食べるからこそ美味しいわけですもんネ。

♪おーいしくてー、なりふりかまっちゃ、いられないー・・
という歌を、ビッグマックというとワタシなど思い出します。

1980年代中ごろのCMで、きゃしゃで小柄ながらしんの強そうな若い女性が、口の端についたソースを手の甲でぬぐいながら夢中でビッグマックにかぶりつく。

「女のコだってああやって食べてカッコいいんだ・・」
と、思わせたCMだったのではないでしょうか。

ビッグマックといったらボリュームたっぷりの男の食べ物で、当時の女のコは「カワイコぶりっこ」でしたから、人前で大口あけて平らげるなど
「ありえなーい」
と、いうことになってました(家では当然やる)。

この直後、男女雇用機会均等法が施行され、日本経済も頂点へ向かって上昇し、カワイコぶりっこを返上したワタシらがオヤジギャルとなったあかつきに、ビッグマックとなじんだでしょうか・・

・・マ、食べる機会はありましたが、格別親しんだとも言えない気がします。

ワタシらにはホレ、ティラミスやらイタメシやらガード下の焼き鳥やら、他に血道をあげるべきものがたくさんあった。

男性陣はいかがですか? つゆだくの牛丼やらネタのいい回転寿司やら、やはりいろいろだったのではないでしょうか・・

・・そういう結果が、今日の日本のマクドナルドの不振につながってしまった、の、かも、しれない。

フランスのマクドナルドは追い風だそうです。ビッグマックはもとより、フランス産銘柄肉などを使った国内限定メニューが大当たり。

「急いで手ェ洗うよ」
と、息せき切って飛び込んできたムスコに続き、ピロロロロ・・と、インターフォン長押しが響きました。今度は13歳のムスメです。

「ビッグマッ」
ク、までこちらがインターフォン越しに言う前に状況を察したらしく、おッそろしいどたどた走りが聞こえてきました。


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夕方になってようやく雨が上がりました。

前菜は、ニンジン千切りサラダ
主菜は、鶏ロースト、じゃがいもロースト、カリフラワーとベシャメルソース、グリーンサラダ

立ち呑み日記・マカロニチーズ [晩ごはん]

「魚が入ってるのかよー」
と、11歳のムスコの絶望的な声をあげまいことか。

お昼に、昨夜の残りのエイをほぐしてこれも残りのマカロニとカリフラワーの上にのせ、やはり残りのケッパー入りクリームソースをかけまわし、おろしチーズでグラチネにしたんです。

(くふふ)
と、ムスコはその耐熱皿がオーブンに入るのを横目で追って満足げだったんですが。

チーズ焼きを嫌う子どもはいませんからね。チーズとクリームにからめたらニガテな魚だってスルリと食べられちゃう(と、ふんだ)。

魚を一段低く見るクセ、何とかならないものなんでしょうか。

フランス人のオトーサン(ワタシのオットです)も、
今日は魚となると、
「昨日の肉残ってる?」
と、食卓で開口一番に言い出すほど。

うちは昨夜、エイのクリーム&ケッパーソースでしたが、例によって食卓はがっかりの雰囲気濃厚でした。が、家族一同、お皿のものはなんとかちゃんと終わらせました。

一夜明け、食べ盛りの身にお昼といったら晩御飯にまして楽しみにしているっていうのに、よりによって
「また今日もお魚を食べなきゃならないッてゆうのっ」
と、いうのがムスコの言い分です。

「だいたいね」
と、ムスコは口をとがらせます。「チーズマカロニと思ったんだよ、そういうお腹の空き具合になっちゃったんだよ」

オーブンに入ろうとしている耐熱皿を、おろしチーズをたーっぷりまぶしつけたマカロニ「だけ」と、決めつけちゃったんですね。

確かにまあ、脳および胃が
(今からこれ食べるゾ)
と、準備態勢がすっかりととのったところで足元をすくわれるのは、大人だってむずかしいです。

ましてそれが大好物だった日には、恨みつらみを一切口に出さず目の前に来た別の料理と向かい合えるというなら、これはもう大人物。

「あれ食べたかった―」「ほんッと食べたかった―」
と、ひと言ふた事嘆かずにいられません。

そのあたりの心情はわかりますので、ムスコの嘆き節はいちおう冷静に受け止めました。

それにしても、チーズマカロニというのはラーメンやピザに通じる、魂をわしづかみにするような、そういう激しい魅力を秘めてますナ。同じような料理なのにマカロニグラタンには冷静に対峙できるのはどうしてなんだか。

チーズマカロニないしはマカロニチーズといったら、アメリカの国民食だそうです。本場ではクラフト社のスライスチーズを、茹でたマカロニにかぶせてオーブンでひとあぶりだそう。

英国でも好まれ、こちらはチェダーチーズをからめるそうです。

フランスはおろしたエマンタールチーズの袋入りがスーパーで気軽に買えますが、かたまりを直前におろすほうが格段においしいです。

グラチネもいいですが、さっとからめて糸ひくところをハフハフ食べるのもまたヨロシイんですよねえ・・

・・・仕方ない、今日の夜のつけ合わせはマカロニチーズにしよう、と、オカーサン(ワタシです)は晩ごはんの算段を内心始めましたが、ムスコがあまりにもピーピーブーブー嘆くので、
「そんなに食べたくないなら食べなくてよろしいッ」
と、コワイ声がつい出ました。


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はっ。写真撮り忘れた。大急ぎで朝ごはんのビスコットの箱をテキトーにパチリ。

前菜は、トマトサラダ
主菜は、七面鳥ささ身ムニエル、モロッコいんげん塩茹で、マカロニチーズ


立ち呑み日記・怪電話 [ワルガキ]

「オカーサン、よく聞いて、」
と、お昼、マカロニにバジリコソースを和えていたところで、13歳のムスメから息せき切った電話が入りました。

うちは学校から近いので、お昼はいったん帰って食べるんです。

「今、テロリストが学校に爆弾を仕掛けたっぽい」

ハイハイわかりました早く帰ってらっしゃい、
と、聞き流して電話を切ろうとしたら、
「マジだってばッ」

午前中最後の授業中、緊急サイレンが不穏に鳴り響き、生徒一同校庭に集められた。

厳しい表情をたたえた校長先生が一段高いところにあがり、
「構内に爆弾を仕掛けたと電話が入りました」

この学校だけでなく、近隣6校に同様の電話があったそうな。

「一刻も早く避難しなさい」
というので、とるものもとらず校外に出た。

「今、学校前の道路で足止めになってる」

電話の背後から、いかにも十代らしいキャーキャー声が聞こえてきます。

ムスメの二学年下にいるオトウトはというと
「担任の先生が引率してるはず」

心配なので行って見ることにしました。学校は目と鼻の先です。

階下に下りると、身を縮めるほどの寒さでもなく、お昼のことでどのカフェもにぎわっています。緊迫した雰囲気などまるでなし。

でも学校に近づくと、いつもとは様子が違いました。高校生たちがみっしりひしめいている。それを取り囲み、機関銃を提げた迷彩服の兵士やジープみたいな軍用車が壁を作っています。

ちょっとちょっとォ、
と、オカーサン(ワタシです)は校長と軍の指揮官をそのへんに正座させたい心境になりましたね。こォんなに生徒たちがダンゴになってたら、ホォントに爆弾投げ込まれようものなら大惨劇じゃないのッ。

各教科の先生の引率で、三々五々、大小ある近くの公園へ分散させたらどうなのよッ・・

・・と、毒づきながら(心の中で)見回せば、高校生たちは実に楽しそうにおしゃべりに精を出している。

理科の実験途中に緊急避難となったらしく、白衣の生徒たちが少なからずいます。

後で知りましたが、ワタシが見にいったときには怪電話は愉快犯とうすうすわかって来たので生徒たちも落ち着きを取り戻していましたが、当初は、ことに中学生は騒然だったそうです。

(もう二度とオカーサンオトーサンに会えない、かもしれない)
と、なにしろ昨年のテロがありましたから、一同悄然としたそうな。

女子生徒一人が泣き出たのが連鎖しだし、ムスメもグッと涙をこらえたそう。

親にあんなひどいこと言っちゃった(しちゃった)、
と、嗚咽しながら反抗期の路上大反省大会になったといいますから、みんなそうとうなショックでした。

中学第一学年のムスコのほうは、担任の先生の引率で教室にとどまり終始静粛に待機していたようですが、なにしろお昼帰宅組は学食不可ですから、すきっ腹抱え
「このまま死ぬのかと本気で思った」

午後一番にすべて解除。何ごとも無くよかったです。

いかにもフランスらしく緊急連絡網みたいなものは一切なく、午後の授業もあるんだかないんだか、ムスメは教室に置いたなりの荷物をとりに学校へぶーらぶら向かいました(ムスコは午後の授業がなくなり欣喜雀々)。


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夕方、パンを買いがてら通りかかったプチレストランをパチリ。いいなァ、こういう店でゆーっくり晩ごはんしてみたいなァ・・

前菜は、ニンジン千切りサラダ
主菜は、エイヒレのフレッシュクリームとケッパーのソース、カリフラワー塩茹で、塩茹でマカロニ


立ち呑み日記・目玉焼きのっけ [ランチ]

本日、お昼ごはんのしたくをしながら、実に深淵な事象に気づきました。

エート本日のお昼ごはんはといいますと、半切りアボカド、目玉焼きをのせたソース焼きそばに塩茹でインゲンです。うちは学校が目と鼻の先なので、ワルガキ二匹がいったんお昼に帰ってきて食べるんです。

で、深淵な事象とは何かといいますと、目玉焼きなんですね。「目玉焼きがのっかるとB級度が増す」

卵といったらその昔は高級食材、今日だっておかずが一品増えるのと同じなわけでむしろ豪華感が増したっていいのに、いったいこれはどうしたことか。

残り物で作った肉無しカレーライスに目玉焼きをのっけたときもそうでした。すごーく美味しそう(じっさい半熟の黄身と混じったところがことさらにヨロシかった)な、見た目なのに、高級感からどんどん遠のいて行く。

お好み焼きなんかもそうではないでしょうか。あと、こないだのお昼にブロッコリーを添えたチーズ和えマカロニに目玉焼きをのっけたんですが、やはり一気にB級へと滑落しました。

目玉焼き単体がちっともB級でないのはみなさまご周知のところ。むしろ特A級です。

ちょっと想像してみてくださいナ・・

・・星がいつくもついたホテルに宿泊する幸甚を得たとする。コンチネンタルの朝食付きとしましょうか。

部屋に置いてある「ご宿泊のしおり」を開くと、ドアノブにかけておく朝食ルームサービス用の札が挟まっています。

コンチネンタルは、コーヒー・紅茶・ココアあたりからひとつ、オレンジジュース・トマトジュース・グレープフルーツジュースあたりからひとつ選んでいい。

この札をひっくり返してみると、アメリカンブレックファストの別料金メニューになっているんですね。

目玉焼き(1200円)
なんて、うやうやしい選択肢があるわけです。

ではせっかくの高級ホテル滞在ですから、本日は思い切って、目玉焼き、注文しちゃいましょうか。黄味の焼き具合は、半熟を選ばさせていただきます。

以上を記してドアノブにかけておくと、朝、お願いした時間に黒服さんがしずしずと、車輪つきテーブルごと部屋に運んで来てくれます。

白いお皿の上で湯気を上げている目玉焼きのなんと神々しいこと。

このお皿に乗っているのは、キッパリ目玉焼きのみ。千切りキャベツやらポテサラやらミカンの一、二ふさやらのつけ合わせの一ッ切ない、そっけないまで単体の目玉焼きです。

また、だからこその風格が、あるんですね。

しかしこれが同じ姿のまま家庭に入ってきたらどうでしょう。普段使いのお皿に、キッパリ目玉焼き焼きのみ。

(トマトなりキュウリなり何かしらつけ合わせないかしら)
と、冷蔵庫をあさることになります。

「目玉焼きだけがいい」
と、目玉焼きに目がないうちのワルガキなどは、焼きそばもカレーも「のっけ」をさほど喜びません。
「別のお皿にして、目玉焼きだけもっと、4こか5こ食べたい」

「だめです」
と、オカーサン(ワタシです)。「タンパク質と緑黄色野菜と炭水化物のバランスよく食べます」

かくしておかずに肉魚がちょっと足りないナという時に、うちは目玉焼きのっけとなるワケです。


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ふと見上げたら、空中自転車。パリは自転車人口増えてますが、留める場所は確かにむずかしいです。盗まれる可能性も高いし。

前菜は、なんちゃってワカモーレ(アボカドとさいの目トマトとレモン汁のペースト)、トマトサラダ
主菜は、牛挽き肉ステーキ、小カボチャのオーブン焼き、いんげん塩茹で

立ち呑み日記・ピロートーク [真夜中]

枕を買いに行きました。

これまで毎晩頭をのせていた枕が、気がついたら13歳のムスメに乗っ取られてたんです。

子どもって枕などあってもなくても同じですよネ、11歳のムスコなど、枕は「邪魔」といって、それこそ枕元に置くのも嫌がります。

ムスメも長らくそうだったんですが、自我の芽生えとともに体型も大人っぽくなり、しっかりした枕がないとベッドで身体を支えづらくなった。

それまでの枕も羽枕でしたがムスメ用に買ったわけではなく、もういいトシのオットが物心ついたころにはもう家にあったという年季モノで、ぺっしゃんこにあたらずとも遠からず、という代物。

それだって年少児の頭にはちょうどいいくらいの薄さだし、ワルガキ出現以前はワタシら夫婦もこの枕を二つ重ねで使っていたくらいです。

「捨てる」という概念が乏しいフランスだからこそでしょうが、枕ってこちらの古い家にはなぜかたくさんあるんですね。

枕といいますか、クッションですが。それに加えトラヴェルサンという、ベッドに横渡しにする円筒形クッションなども、あります。

うちにも古いトラヴェルサンがあるんですヨ、古いも古い、戦前のものであるのは確か。

人にもよりましょうが、うちのオトーサン(ワタシのオットです)など多くのフランス人は、枕など家庭用品が以前から家にあるというならそれを踏襲して使用するのが当然、と、考えるものなんです。

そして、
「枕が合わない」
と、嘆く。

なにしろうちのトラベルサンといったら中に詰まっているのが藁(わら)という年代もの、これにぺっしゃんこの羽枕を重ねても、寄る年波で首が痛くなるばかりです。

ではいざ新規購入かというとさにあらず、
「使ってない枕ない?」
と、近しい親戚に訊ねる。

親戚の屋根裏には大叔母の遺品であるセミダブル用枕が眠っていたので、これを譲り受けました。それだって半世紀ゆうに寝かせた遺物で、中の綿がゴワゴワ。横になるそばから頭が痛くなりました。

「こんな生活もうイヤッ」
と、立ち上がったのが、日本人ツマ(ワタシです)。

デパートで上等の羽枕を買い求め、夫婦のベッドの古色蒼然と入れ替えました。

にっくき古色蒼然など捨ててやるーッ、
と、思わないこともなかったですが、マ、ここは捨てるのがニガテなフランス人オットをたて、今もベッドわきにころがしてあります。

今回改めて買うワタシ用羽枕は、以前買ったものと寸分たがわぬもの。

初めて知ったんですけど、枕って寿命があるんですってネ。そばがらで1年、ポリエステルや綿で3年、羽枕で5年といいますから、思いのほか短命。

形見として受け継ぐものでもなさそうです。

それどころか、オットの枕もムスメにとられたのも、購入したのはワタシら夫婦の新婚間もないころで、寿命でいったらもうとっくのとうに切れてる。

わが新しい羽枕、ふっくらしてとおってもヨイです。朝起き上がるのが辛いくらいよく眠れます。

枕といえば、座布団を二つ折りにして、昼下がりに陽の当たる畳の上でうとうとするくらい気持ちいい枕は他になかった気がします(耳掃除してくれるオカーサンのひざまくら、テナ思い出のある人もいるかもナ)。


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雨だと暖かいですネ。

前菜は、ツナ缶と缶詰緑オリーブとエシャロットのペーストと固くなったパンのトースト、残りのカボチャスープ
主菜は、残りの鶏ロースト、じゃがいものニンニクソテー、モロッコいんげん塩茹で

立ち呑み日記・ケバブと牛丼 [ランチ]

お昼にケバブが
「食べたいったら食べたいッ」
と、13歳のムスメが盛んに示威行動を繰り広げるので、みとめましょう、と、買いに出ました。

近所のケバブ屋さんは大繁盛でした。着席してフォークを動かしているのは全員男性、それも褐色の肌のトルコ人男性ばかりです。

これって、パリの日本人がこぞってラーメンに向かうのと同じでしょうかネ。

よくテレビのラーメン屋さん特集なんかで、眉間にシワ寄せて味わっている男性(そう、きまって男性)が登場しますが、このケバブ屋さんでそういうトルコ人は見かけません。

みなさんホッコリした表情でお昼をたのしんでおられる。

そういうところからいくと、それに男どうし連れ立って食べに行くところからかんがみても、ラーメン屋よりむしろ牛丼屋のほうに共通点があるかもしれません(パリには残念ながら牛丼専門店はありませぬ)。

牛丼屋にはホレ、「つゆだく」とか、専門用語を用いた注文がありますよね、ケバブ屋さんもそうです。

まずパンですが、ホットドック用みたいな長細いのと円形のピタパンがあり、カウンター内の調理人と目が合うや、どっちにするか光の速さで注文するんですヨ。

光の速さで、というのは、ケバブ調理人は長細いほうを音速で取り上げ調理にかかろうとするから。トルコ本国のケバブが細長いパンが主流、なの、かも、しれません。

パリでケバブは長らく「ギリシャ風サンドイッチ」と呼ばれ、円形のピタパン一辺倒でした。

ムスメもまた人生お初で「おいしーい」となったケバブがそれだったので、
「ピタパンのほうで」

ここにソースをぬるんですが、
「どれにする? さあ、さあ!!」
と訊ねられる切迫感といったらないです。

モタモタすンな、
と、お店の人は間違っても口に出さないものの、:ケバブが
どういう食べ物かあらかじめ知っといてもらいたいな、
というオーラはげしく立ち込めている。

安い、はやい、うまいの牛丼屋だって、「並」とか、「アタマの大盛り」とか、注文する側もすばやさを求められているのではないでしょうか(「アタマの大盛り」とは具のみ多く、という符牒だそうです)。

ケバブをたまにしか買わない日本人のオカーサン(ワタシです)は、焦りに焦りながら、ソースはマヨネーズを選択。

「ソースたっぷりね」
と、ワタシの前に注文していた男性がつけ加えてましたが、これなど「つゆだく」に匹敵でありましょう。

そのあとパンに細切れ生野菜をのせるんですが、身を乗り出して、
「玉ネギの薄切りはなしでおねがいね」

なにぶんにも13歳の嗜好ですからね。

しかるのちにそぎ肉がたんまり載ったところを春巻き状に丸め、揚げたてフライドポテトも脇におテンコ盛りにしたところで、
「ケチャップ? マヨネーズ?」

フライドポテトに何を、とのことなんですが、聞いてくれながらも手がすでにマヨネーズのびんにかかっているのを制し、
「何も添えなくていいです」

これで一人前5ユーロ(約700円)、大人の男性がオナカイッパイのイッパイになる量です。

お財布を開いていると背後に、男子高校生のグループがお腹空かせきった顔して並びました。


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バスの中でパチリ。今日は寒かったです。

前菜は、カボチャのスープ
主菜は、牛と豚二種類のフランクフルトソーセージ、シュークルート(キャベツ酢漬け)、蒸しじゃがいも、いんげん塩茹で



立ち呑み日記・バーター [困った!]

(どうせイマイチだろうな)
と思いながら買ったすぐりのジャムが案の定、ビンに半分残ったなりになっている。

半分まで食べすすめたのは、購入主であるオカーサン(ワタシです)。

ひょっとしたらひょっとして意外にもヨロシイかも、と、最初のひとすくいには期待もあったんですが、そこから先は惰性です。すぐりのジャムらしい甘酸っぱさはあるものの、香りがひとッつもない。

なにしろ格安の大量生産品。おいしいほうのジャムを切らしたので、急場しのぎにカゴにとったんですヨ。

こないだチーズ屋で買ったジャムがことのほかヨロシく、パンやクラッカーにどっさりのっけてぱくぱくいきましたからね。

フランス南西部などでは塩味のきいた羊乳チーズを薄切りにしてジャムをのせて食べるので、チーズ屋にジャムが置かれていることはままあるんですヨ。

パリでは、スーパーのジャムは2ユーロ(約270円)、チーズ屋などで扱う小生産者のものが5~7ユーロ(700~1000円)、と、いったところでしょうか。

値が張るからヨイというものでもなく、こういうものは相性でありましょう。格安品だからといってひどくまずいというものでもない。

ただ、おいしいのとそうでもないのが卓上にあればおいしいものばっかりはけていくのは自明の理です・・

・・と、いいますか、はけるのが早いから
「これってすごくおいしかったのね」
と、改めて気づかされる、ってこともあるわけですね。

まずいほうのしか知らなければ、
「うちの家族はみんなジャムがそんなに好きじゃないワ」
という感想(ないしは決めつけ)に留まる。

美味しいのを初めて知って、嫌いと思い込んでたけど食べず嫌いだった、なんてことは往々にしてあることです。食べず嫌いが克服できるのは素晴らしいこと。

それはそれとして、まずいものがいつまでも残る場合、どうしたらいいんだか。

「まずいジャムをおいしく食べる方法はありますか」
という質問を、ヤフー知恵袋で見つけました。

いずれ悩みはみな同じ。

料理の下味に、タルトの砂糖代わりに、と、さまざまなアイデアが出されているのかと思いきや、返答はたったひとつでした。

「レモンと砂糖を足すといいですよ」

多少なりとも味にアクセントがついた、
と、質問者は喜んでおられるようでした。

ワタシもまたこれが大いにヒントになりましたね。

うちのまずいほうのジャムは酸味と甘みはチャンとあるので(ないのは香りと、やはり究極的に『美味しさ』が、ない)、レモンと砂糖を足した日にはさらにまずくなるのは必至。

何にも足さなきゃいい、逆説的ですがそういうヒントをいただきました。どうするかというと、おいしいジャムを食べる時にちょこーっと付け足す。

バーター、です。ホラ、TVドラマなんかでも、人気俳優と同じ事務所の格下タレントが組として出演してたり、しますよネ。

ワタシなどこの方法で、賞味期限が5年越しの煎茶をこないだの一時帰国の折にスーパーで買った新鮮な深蒸し茶に少―しずつまぜてうまあく片付けているんです・・

・・テナこと提案してみたんですが、家族からまるっきり無視されました。


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はっ。写真撮り忘れてたと気づくも寒くて外に出るのはちょっと。そこで冷蔵庫からハムのパックをとり出してパチリ。

前菜は、ニンジン千切りサラダ
主菜は、牛挽き肉のトマト詰め焼きとキャベツの詰め焼き、ねじりマカロニのペストソース(バジリコ・ニンニク・松の実のオリーブオイルソース)、いんげん塩茹で

立ち呑み日記・Mr.ロンリー [おとしごろ]

13歳のムスメが、「ミスターロンリー」を聞いている。

ホラ、「ジェットストリーム」のテーマ曲です。

あら懐かしいワ、と、身を乗り出したいところですが、ムスメがかぶりついているのは日本人のオカーサン(ワタシです)が知っているのとはずいぶん違います。

♪オラは死んじまっただー、
というあれみたいに、しょっぱながカン高い早回し風になっている。

「これ、ギャグの曲かなにか?」
と、聞いてみれば、ムスメは反抗期丸出しに、
「アコンの曲だけど、オカーサンみたいなとしよりは知らなくて当然」

としよりとはなによッ、
と、いきりたちそうになりましたが、アコンなるものを知らないのは確か。

検索したらたちまちに氷解しました。アメリカで大活躍するセネガル出身のミュージシャンにして音楽プロデューサーです。

「『エイコン』、が、正しい発音なのヨ」
と、アコンとフランス語発音丸出しのムスメのハナをあかしてやろうかとも思いましたが、まあやめときました。

デヴィッド・ボウイーだってフランスではダヴィッド・ボウイーですしね。

「ミスターロンリー」を基盤にしたアコンもといエイコンの「ロンリー」は、2005年、全英チャートで1位になったほど。

アフリカ系アメリカ人らしい感じで孤独を語りあげていきます・・

・・この、今風バージョンを聞いているうちに、懐かしのイージーリスニングのほうも久しぶりに聞きたいなあ、と、矢も楯もたまらなくなって来ました。

そこでユーチューブを開くと、たちどころに見つかります。

遠い地平線が消えて、深々とした夜の闇に心を休める時、
という城達也の名ナレーション、いつ聞いても胸に沁みますねェ・・

はるか雲海の上を音もなく流れる気流は・・
とこう聞き続けているとしかし、条件反射的に意識がふっととびそうになるんですね。

勉強してるフリして午前0時まで起きていて、階下で寝ている親にバレないようヘッドフォンで聞きながら、眠気と格闘したもンでした。

だったらちゃんと布団に入ってさっさと寝たらよさそうなものなんですが、分かっちゃいるけどやめられないとはこのこと。

「ジェットストリーム」聞きたさに、といいますか、「ジェットストリーム」の城達也のナレーション聞きたさに、毎晩がんばるわけです。

本当に雲海の上を飛んでいるような気持ちになりました。ただ、どこへ向かって飛ぶものかは想像もつかない。あのころ、パリといったら十代のワタシには縁もゆかりもない遠―いところだった。

「ジェットストリーム」は今や放送50周年を間近にしたFMの最長寿番組なんですってネ。

現在の機長(パーソナリティー)は、俳優の大沢たかおだそうです。ユーチューブで聞いてみると、甘く優しい声で、これもまた素敵。

直行便でほんの12時間の一時帰国が、まぶたに浮かんでまいります・・

そう、まぶたに浮かんで
「まいります」
って、言うんですヨ。

この、最近あんまり耳にしない「まいります」が昭和時代風で、大沢バージョンでもまた、当時の、外国旅行に憧れた気持ちがよみがえってまいります。


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写真の腕が悪いせいで木があんがい高く見えますが、けっこう低い位置に「巣」ができているんですヨ、青少年がちょこっとよじのぼれば手が届くくらい。

前菜は、すいとん入り長ネギと玉ネギの和風だしスープ
主菜は、コルドンブルー(七面鳥ささ身のハムチーズはさみ揚げ)、レンズ豆のトマト煮込み、ブロッコリー塩茹で

立ち呑み日記・焼きマシュマロ [おやつ]

焼きマシュマロが
「食べたい、食べたい、食べたい」
と、13歳のムスメが学校から帰って来るなり目の色かえてスーパーに走り、戸棚に頭つっこんで卓上グリルを引っ張り出しました。

竹串にマシュマロを刺して、卓上であぶりながら食べようという算段です。

日本でもキャンプの焚火や野外バーベキューというと最後に竹串でマシュマロ焼くのが今や定番なんですってネ。

卓上グリルの金網が熱くなってきたところで、竹串に白くむっちりしたところを刺して火すれすれまで近づけます。

金網にじかに乗せると融けてくっつくのみ、ということは試さずとも推測できました。

遠火でゆっくりかざしていると、いつしか表面がこんがりキツネ色になってくるので、やけどに気をつけて、ぱくり。

当初のむっちりふわふわがウソのように表面カリカリ、中が生クリームのごとくとろーり、バニラの芳香が思いがけないほど強くたちます。

「おいひーい」
と、ムスメはハフハフしながら、すかさず次のマシュマロを竹串に刺し、グリルにかざしています。片手で竹串をあやつりつつも、もう片手でiPADを操作してミュージックビデオをのーんびり鑑賞。

シヤワセとはこういうことなり・・
とばかりハフハフ続けるムスメを眺めながら、日本人のオカーサン(ワタシです)は悔恨しきりになりましたね。

ワタシらが子どもの頃だってマシュマロはちゃんとあったのに、なぜ、なぜッ、焼いて食べようと思いつかなかったのか。焼いて食べる装置は今よりずーっと身近にととのってたにもかかわらず。

それがくやしい。

ムスメのように卓上グリルなぞわざわざ持ち出す必要もなく、石油ストーブが、あったじゃないですか。しゅんしゃんいっているヤカンを少々ずらしては、干しいもを、みかんを、お餅を、するめを、トーストを、焼きました。

ここになぜ、なぜッ、マシュマロは加わらなかったのか。なにもヤカンをずらす必要もなく、竹串に刺したところをストーブに近づけるだけで、よかったんです。

こうやってあぶってはハフハフ口に運びながら、「水戸黄門」やら「わんぱくフリッパー」やらの再放送にかぶりついたら、どんなによかったことか。

ムスメを見ていると、竹串をかざして焼けるまでの間がまたイイんですヨ。ゆーったりした時間が流れている。

あのころのワタシらのおやつというと、「サッポロポテト・バーベキュー味」やら「カール・のりしお味」やらの袋抱えてバリバリボリボリ、やめられないとまらないのせわしい、狂おしい状況に陥っていたものでした。

マシュマロも、時に買い置きがあったので、おやつにぱくぱくそのまま食べました。

マシュマロ好き? と、聞かれれば、
「別に。嫌いでもないけど」
としか思えませんでしたが。

ドリフでカトちゃんあたりがお供えの三方に積み重なったひと口まんじゅうを立て続けにぱくぱく一気に平らげる、なんていうコントにアハハと笑った後、
「あれはでもあんこの入った本物ではないと思う」
と、画面のこっち側であげつらうのが、マシュマロでした。


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日暮れて花屋の前を通りかかったら、♪オンリィワーン・・と、脳内音楽が響きました。

前菜は、ニンジン千切りサラダ
主菜は、鶏ロースト(の残り)、ねじりマカロニのトマトソース、モロッコいんげん塩茹で、グリーンサラダ

立ち呑み日記・ミズナ [晩ごはん]

「冬の葉ものといったら、ミズナだね」と、マルシェのパリ近郊農家の屋台で、行列の先頭のお客に話しかけているご主人。

ご主人自ら畑で育てた野菜を商っています。

「ミズナは日本の野菜なんだぜ」
と、他のお客にもちゃんと聞こえるようダミ声を張り上げてくれるので、後方で番を待つ日本人のオバサン(ワタシです)も密かに鼻ピクピク。

ミズナmizuna、とこう、和名がそのまま採用されているのも晴れがましいです。

同じ外国野菜でも白菜はシュー・シノワ(中国キャベツ)ですからね、水菜だってその見た目からベルシール・ジャポネ(日本パセリ)などの通名になってもいいところ、本名を尊重してくれたわけです。

「日本人はミソスープの実にするから、ミズナは青っちょろくてひ弱そうなほうをあえて選ぶんだ」
と、ご主人の説明は続きます。

この年末年始に一時帰国した折に実家近くのスーパーで水菜を見かけましたが、ギザギサで黄緑色の葉もほっそり繊細な茎も、いかにも柔らかそうでした。

目の前の屋台に並ぶミズナは厚い葉の緑濃くて茎も太く、日本人の目からすれば「育ち過ぎ」の感がなきにしもあらず。

「ボクも、ようやくミズナサラダに慣れて来たよ」
と、先頭のお客も口を開きました。「なにしろ味がないときてるだろ」
(ウンウンウン、と、その背後で同意とばかりうなずく善男善女)

ちょっとちょっと、と、後方から割って入りたくなりましたぞ(行列が長過ぎて断念)。われらが水菜を、冬場の葉ものといったら他にないから仕方なくガマンして食べてるとでもいうのッ。

あんまりじゃないのッ。

しかしそうは言いながら、関東育ちのワタシとて水菜に慣れているとはとうてい言えません。ワタシなど、京都の郷土野菜とずうっと思いこんでました。

食べ方だって、漬物ぐらいしか思い浮かばない。

「はりはり鍋」という、鯨肉と炊き合わせた関西の名物鍋があると田辺聖子の小説で読んだことありますが、実物はニオイすらかいだことがない。

パリのマルシェのこの屋台で出会ったのが人生お初と言っていいくらいなんです。

ですから、この年末年始に東京近郊のスーパーで見かけた時には、
(京野菜なのに関東でも買えるんだ・・)
と、水菜の肩をとんとんしたくなったほど(水菜に肩はないナ)。

しかしそれもこれもワタシがウラシマだからで、水菜は21世紀に入ったころから全国区となり、生産量も、もともとの京都府をぐんと引き離して茨城県が全国一だそうです。

2002年に、キューピーが、水菜と小エビのサラダにマヨネーズをかけた、いかにもおいしそうなCMを流したのが引きがねとなり、全国に広まったもよう。

このCM、屋台に並ぶ善男善女にも見せたいですね。

フランス人にとってグリーンサラダは主菜の後の、お酢と植物油のドレッシングでさっとあえた箸休めで、トマトやアボカドなど前菜のサラダとは一線を画したものなんですヨ。

チコリのほろ苦い葉にアツアツのベーコンや鶏の砂肝をジュッとかけ載せた前菜が、あることにはありますが。

ワタシはご主人の屋台で水菜を買うときまって、茹でて醤油と胡麻油と和えたナムルにします。


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寒空の下パン屋の行列のシッポでうちふるえながらパチリ。早く暖かい店内に入りたい・・

前菜は、アボカド、ライムと刻みコリアンダーで
主菜は、鶏ロースト、じゃがいもロースト、モロッコいんげん塩茹で、グリーンサラダ(ミズナ入り)

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