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立ち呑み日記・夜中に歩く [おでかけ]

日本から到着したばかりの青年をまじえて、遅く始まった晩ごはんが終わった、午後11時。乾杯にあけたシャンパンのまわりもよく、青年をホテルまで送っていくことになりました。

「あたしも行くー」「ぼくもー」
と、この時間ながら、ワルガキ二匹も名乗りを上げます。

明日は休みだし、まあ、いいでしょう。

青年はこのたびフランスで、フランス人と互角に職を得て、明日その地に赴く身の上。日本であつらえてきたという新品の真っ白なスニーカーが、前途洋洋を物語っています。

足取りも軽く、夜の町を、歩き出しました。

『夜のピクニック』という、高校の行事で全校生徒が夜通しかけて、80キロもの行程を歩く間の物語が、ありましたが。

「夜通し」「80キロ」は、いくらなんでも閉口です。とはいえ、近所の格安ホテルが満室だった都合上、河を越えた対岸の大通りを、割に長々と歩くことになります。

目指すは、商業地区の格安ホテル。

♪歩こう~・・と、ワルガキ二匹は、近所迷惑もかえりみず、「となりのトトロ」の歌を調子っぱずれに合唱しています。

見渡せば、レストランはそろそろ店じまいで、椅子テーブルに上げて、照明がすっかり落ちているところも少なくありません。繁盛しているのは、若者の集うバーのたぐい。こういう店は、この時間からがかきいれですからね。

これらを左右に眺め、セーヌ河を渡ります。ライトアップされたノートルダム寺院のきれいなこと。

いつだったか、古い仲間の一人がパリに遊びに来た数日間に、パリジェンヌと熱烈恋愛に落ちちゃったことがありました。

宵闇に浮かび上がるノートルダム寺院を二人で眺めているうちに、お互い、いきなりメラメラ来ちゃったのだそう。

青年の身にも、今後そういうことが巻き起こるでしょうか。

今夜のところは、二匹が両腕にぶらさがったかっこうで、時差ボケで眠い目をこすりつつ、寝床を目指すのみです。

番地をにらみながら、どんどこ歩き、ようやく、いかにも安そうな宿に着きました。

「おやすみなさい」と、青年は一人、明かりの消えたフロントへとのぼって行き、ワタシら親子は、タクシーを探します。

が、さっきあれほど空車が通り越して行ったのに、どうしたわけか、一台も来ない。ふと気づけば日付がかわり、舗道にいるのは、われわれ親子だけです。

「何してるんです」
と、そのとき、野太い声で不意に話しかけられ、肩をとんとんされました。

ぎょっとして振り返れば、あらまあ、うちの近所の電気屋さん。友だちのところへチェスをさしに行った、帰りだそう。

やれうれしや、と、同行の志と肩を並べ、近くに新しくできた安レストランのことなどあれやこれやとしゃべりながら、河向こうのわれらが界隈を目指しました。


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全然乗り気でない青年を、公園の植え込みの柵をまたいで秘密の通路に連れ回そうとするの図。この直後警備員さんにこっぴどく叱られました。

前菜は、野菜ポタージュ
主菜は、仔牛のエスカロップのきのこクリームソース、莢いんげんの塩茹で、蒸しじゃがいも


立ち呑み日記・漕げよオスカル [遊び]

ボートを漕ぐハメになりました。ただ今、こちらは四連休の真っただ中で、ヴェルサイユ宮へ、行ったんです。

ベルばらの舞台でなぜにボート、と、思われるでしょうが、宮殿正面から見はるかす運河に、手漕ぎボートが出ているんです。

あと貸自転車もあり、地元におけるヴェルサイユ宮は、お城もついてる自然公園、テナ立ち位置です。

さて、ボートですが、最後に漕いだのは、いつだったか。授業中に舟を漕ぐのは、得意中の得意でしたが。

「漕ぐー、漕ぐー」
と騒ぐワルガキを制して、
「まずオカーサンが漕ぎます」

ところがこれが、まるっきり進まないんです。勇躍オールを握ったのに、ボートは岸にべったり貼りついたまま、微動だにせず。

「はやくー、はやくー」の声。ウーム・・

みなさん、うれしはずかしおデートで、ボートに初めて乗った時、ちゃんと漕げましたか。「黒の舟歌」じゃないですけど、たいてい彼氏のほうがエンヤコラ漕ぐと思うんですが、いっこうに進まないでまごまごするのはカッコ悪くないですか。

「だから漕ぐのはカレでなくもっぱら私」
と、いう意見が、検索してみると意外にも多く、ありました。

こちらのオカーサン(ワタシです)も、水面をめったやたらかきまわすうち、どうしたわけか、すいっと、動きました。

が、漕ぐー、と騒ぐ二匹と逐次席を替わり、またオールをにぎってみると、せっかくさっきつかんだばっかりのカンが、あっという間に、なくなってる。

ボートって、漕ぎ手の背後に向かって進んで行くんですネ。背中に目がついていないなか、他のボートとぶつからないようにすいすい行くのは、至難の業です。

ボートに乗ったカップルは別れる、と、よく知られている東京・井之頭公園の池などはボート密度がとても高く、漕ぐのもさることながら、混雑した周囲のカップル舟にぶつからないよう前後左右にこまめにへさきを向けるのに、高度な技術がいるそうです。

ボート密度で言うと、東京では千鳥ヶ淵のほうが少なくていいそう。が、水が、ぞおーッとするほど汚く、万が一飛沫を浴びたらと思うと気が気でないそうです。

にもかかわらず、カップルはボートに乗り、そのどちらかが、漕ぐハメになる。

おとしごろの時代に、もっと訓練を積んでおけばよかったなあ、と、後悔しながら、太陽王の運河を漕ぎ、また漕ぐ。

本日、あやしい雲行きながら、時折日も差す、まあまあの日和。左右の岸辺を行く、ジョギングのひととサイクリングのひと。乗馬のひと。

それらをながめながら、ひたすら漕ぐうちに、ベルサイユ宮が薄焼きせんべいを横にしたぐらいの大きさになっていることに気づき、これはたいへん、と、へさきをなんとか回転させて、またしても漕ぎました。



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宮殿は観光客でごった返しますが写真奥の運河までいくと広大なおかげで空いて来ます。

前菜は、トマトサラダ
主菜は、フォーフィレ(牛)ステーキ、ニンジン入り炊き込みご飯、ブロッコリー塩茹で

立ち呑み日記・ヘビーな蛇 [ワルガキ]

動物園でつらつら考えた。ひとはなぜああヘビを買うんだか。

この動物園は、植物園の中にあって、開園1790年と世界最古ながら、パンダはおろかゾウもシマウマもいません。

大物は唯一、ユキヒョウのみの一点豪華主義。そのほうが来園者の印象に残りやすいから、では、なくて、資金難の折、維持が大変だから(と思う)。

なにしろ開園当時の動物舎が、当たり前の顔して使われているんです。爬虫類館なんて、19世紀の水槽のまんま。これらの修復に、どれだけ資金がかかるか。また、どれだけ予算がとれないか。

みなさまの援助をお願いしたい、ということで、古い動物舎を改築して、感じのいい売店ができてました。収益は動物園維持のために使われます、とのこと。

のぞくだけのぞいてみましょうか、と、思わないこともなかったんですが、ワルガキ連れの身の上、藪蛇になりかねません。

蛇行してシカだのフクロウだのの檻に、気をそらせようとしましたが、テキは目ざとかった。蛇のように聡し、とはまさにこのこと(違うかナ)。オカーサン(ワタシです)を振り切り、店先のワゴンの前へ、走りこみます。

「なんにも買いませんよッ」

こちらもワゴンに近づいてみて、ああこれだったの、と、わかりました。ゴムのヘビが、とぐろ巻いてる。さっきから、すれ違う子どもの多くがヘビをぶらさげているんです。

長さだけが取り柄の、見るからにちゃっちい、おもちゃのヘビ。

このヘビをびゅんびゅんふりまわして
「人に当たるからやめなさい」
と、叱られている子も多々見かけました。

が、植え込みの柵の丸木に向かって、ひゅんっ、とヘビの先端を投げ、丸木に巻きつけて遊んでいる子がいて、これがなかなかに、おもしろそうだった。

インディアナジョーンズもかくやです。

「ぼく緑のにする」
と、オカーサンが承諾もしていないのに、7歳のムスコは早々に握りこみました。

値段を見れば、8.5ユーロ(約900円)、ウーム、ゴムのこんなヘビごときに・・。売店を見回せば、動物柄のTシャツやぬいぐるみが、けっこういい値段で並んでいます。

・・と、そこへ、オバアチャマと孫の二人連れがやって来て、ためらくことなく赤いヘビをとり、レジへ向かいました。

こちらもなんとなくそれにつられて、お財布のひもをゆるめることになってしまい、「買いませんよッ」は、竜頭蛇尾に終わりました。

ぬいぐるみは即座に飽きるけれど、ゴムのヘビなら多少は遊べる、と、いうのが、売れ筋の秘密でしょうかネ。

田園地方で猿害のあるところでは、本物ソックリのヘビを木に巻きつけておくと猿よけになるそうですが、これは蛇足です。


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乗り物ではないんですが子どもはみんな乗りたがります。

前菜は、胡麻油と乾燥エシャロットをふった赤カブサラダ
主菜は、コルドンブルー(チーズとハムをはさんだささ身フライ)、さいの目ニンジン入りグリンピース

立ち呑み日記・土曜日のテレビ [テレビ]

小学校から帰るなり、7歳のムスコがテレビに貼りついて、ニマーと笑っている。観ているのは、「ツバサ・クロニクル」(らしいです)。

が、アニメのシーンとは脈絡なく、ソファを背もたれにして、おやつの牛乳パンを手に、ニマー、また、ニマー・・

アアわかるなあ・・。こちらは木・金・土、日と、4連休で、ただ今、いよいよ休み前夜です。ふと見ればまた、ニマー・・

ワタシもまた、土曜日の夜というと、あんな顔して「8時だヨ、全員集合!」を、観たものです。幸せとはなんですか、と、聞かれたら、あのころは即座に答えられました。

土曜日の夜にテレビを観ることですッ。

・・と、当時になりかわって即答してみましたが、ハテ考えてみれば、「全員集合」の前の時間、ワタシらはいったい何を観ていたのか。

そう聞かれると、パッとは思い出せないものですネ。そこでググッてみたら、どなた様かのブログで、1975年4月5日土曜日のテレビ欄を見つけました。

始業式が終わって、新しいクラスと新しい担任の先生と出会ったばかりの、やや緊張した半日を過ごした夜です。

テレビにかじりつきだすのは、5時15分、「カリキュラマシーン」、あたりからでしょうか。この直後の5時30分から、4チャンでは「アイドル登場」という番組があり、荒川務が登場しています。

6時からは、4チャン「キックボクシング」、6チャン「奥様は18歳(再)」、10チャン「わんぱくフリッパー」。

しかしワタシは、NHK少年ドラマシリーズの「夕映え作戦」を、観てました。

このあと6時半から、どの局もニュースなんですが、大人ってどうしてああ鹿爪らしいだけのを観たがるのか、不思議で不思議で仕方ありませんでした。

いよいよ7時は、6チャン「仮面ライダーストロンガー」、10チャン「はじめ人間ギャートルズ」、12チャン「キックボクシング」、意外にも、女のコ向けアニメが、やっていません。

それに、キックボクシングは、4から12へ、チャンネルをまたいで放映されていたんですネ。

7時30分からは、1チャン「連想ゲーム」、6チャン「お笑い頭の体操」、10チャン「秘密戦隊ゴレンジャー」。

「全員集合!」を卒業して、8チャン「欽どん」に移行していたコも、あんがいいたと思います。

そして黄金の8時となるわけですが、「全員集合」と「欽どん」のほかにも、番組は、やっていたんですね。

1チャン「警部マクロード」、8チャン「プロレス」、12チャン「ディズニー劇場」。

東京ディズニーランド出現のはるか以前のこと、この時間、12にチャンネルを合わせる子どもは、そんなにはいなかったのでは、ないでしょうか。

すっかりオカーサンないしはオバサンになった今となっては、晩酌しながら、ぜひとも、10チャンのこれ、観てみたいです。

「宮田輝の日本縦断・ふるさと」

当時の大人たちは、子どもらを寝かせた後、4チャン「ウイークエンダー」を、観ました。


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コンビニ風食料品店です。たいていアラブ人が経営しているので在仏日本人は「アラブ屋さん」と呼びます。

前菜は、胡麻油と乾燥エシャロットをふった、さいの目ビーツのサラダ
主菜は、鶏ロースト、じゃがいもロースト、ブロッコリー塩茹で、グリーンサラダ

立ち呑み日記・家系図とワニ [ワルガキ]

祖父母の写真をもっていく、と、7歳のムスコが、学校かられんらくちょうに書いて来ました。生き物の一生、と、いうような単元で、自分の家系図のようなものを、作成するらしいんです。

が、れんらくちょうを見せられたのが、夜8時過ぎ。

なぜもっと早く出さぬ、と、こちらは早くも目がサンカクになりかかっています。

デジカメになって以来、写真は全部パソコンのなかにあり、紙焼きがあんまりない。それでも何枚かはありますが、せっかくの写真を切り刻まれるのは、しのびない。

コピーをとろうにも、日本と違ってコンビニはなし、この時間ではコピー屋さんはとっくに閉まっています。

仕方なく、オカーサン(ワタシです)が朝イチでコピーを取りに行き、小学校まで届けることになりました。

フランスの小学校は、高学年以外、校門まで保護者がおくりとどけるので、その足で近所の郵便局の、コイン式コピー機に向かいます。

おつりは出ません、の文字。

あいかわらず殿様商売ねえ、と、心の中で毒づきながら、窓口で両替を頼むと、
「小銭がないから、できかねます」

やれやれまったく、と、機械にチップをやる算段で、スタートボタンを押します。が、出てきたコピーは、真ッ黒ッ黒。

そうだ郵便局のコピー機って高いのにこれだった、と、舌打ちしながら回れ右してずんかずんか歩き出し、始業時間前のコピー屋さんを目指しました。

家系図って、教育上ほんとに必要なのかしらねえ、と、ずんかずんかの歩調に乗って、むかっ腹がどんどんたってくる。

シングル家庭や何かで、系図を見せたくない親も、いるんじゃないかしらねえ・・

知り合いの中学理科の元先生は、血液型と遺伝の単元で、両親と自分の血液型からAAとかBOとかの組み合わせを調ぺてくる宿題を出したところ、上へ下への大問題に発展してしまったそうです。

実は母親がそ知らぬ顔して、夫ではないひとの子を産んでいた、なんてことが、発覚してしまった。祖父母の写真ごときでは、さすがにそこまで深刻な問題は巻き起こらないでしょうが。

それにしても、生き物の一生だかのこの単元、今9歳のムスメのときは、ワニでした。

生き物の一生の順番に写真を並べてノートに貼りなさい、と、いう宿題で、白黒コピーのワニの写真を三枚持ち帰ったんですが、これがまあ、身もフタもない。

小さい、生まれたてのワニが、
1. 誕生、
と、いうのはいいにしても、
二匹のワニが重なって
2. 交尾、
白目でぺろんとあお向けにひっくり返っているのが、
3. 死。

1.誕生  2.交尾  3.死、で、集約されちゃう一生ってどうよ、と、ワニの交尾も奇想天外でしたが、諸行無常の風がわが心の中にひゅるるる・・と、吹きました。

あれよか格段にいいかもナ、と、コピー屋さんが開くのを空見上げて待って、急ぎ一枚白黒コピーをとり、ずんかずんかと、小学校へ戻りました。


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昔は香港みやげによくもらったものですが。

前菜は、アボカド、レモンとヘーゼルナッツで
主菜は、鶏ロースト、じゃがいもロースト、インゲン塩茹で、グリーンサラダ

立ち呑み日記・ポットで淹れる [追究]

お茶の研究家の友人が、江戸時代の絵を見せてくれました(インターネットで、ですけどネ)。芝居小屋の客席にお茶道具を出前するお茶の店の様子、だそうです。そのお盆に伏せたお茶碗の横の急須が、シロウト目に見ても、やたらと大きい。

蕎麦湯が入ってる感じなんですヨ。

蕎麦屋さんの間違いじゃないの、と、おそるおそる友人にご注進すると、
「お茶の店でいいの」

これ、急須でなく、蕎麦湯の容器と同じ、湯桶(ゆとう)、なんだそうです。

今日、湯桶は、お蕎麦屋さんの蕎麦湯にしか使われなくなりましたが、江戸時代はお茶を喫するシーンでよく、使われたそう。

急須と違って茶葉はじかにいれず、別の容器で煎じた茶を、湯桶にたっぷり注いで、供ずるのだそうです。

それは、茶葉の濃さの加減などの作業を喫する側の客人にさせることなく、お茶を差し出す側が、おいしい形で全部あらかじめととのえる、「真心のあらわれ」でも、あるそう。

ヘーエ、と、膝を打つ思いでした。

ホラ、よく、日本の、うんとしゃれたサロン・ド・テなどで紅茶をたのむと、ポットで出てくるのに茶葉が入っておらず淹れた紅茶だけが入っていることって、ありますよネ。

日本に来たヨーロッパ人などは、ティーポットのフタをあけてみて、目がテンになる、だけならまだしも、詐欺だーッ、と、オコリだすひとさえ、いるんです。

ティーポットに茶葉を入れて出さないのには、日本のおもてなしの伝統が、あったんですね。詐欺だーッ、は、ひどい早合点だったわけです。

紅茶はでも、昭和の時代を思い出すに、喫茶店では後発の感が、ありませんか。喫茶店は、「ホット」を、飲むところだった。

東京に、紅茶専門の喫茶店が初めてできたのが、1974年。

♪紅茶のおいしい喫茶店・・で、始まる「ハロー・グッドバイ」が、アグネス・チャンのシングルのB面にリリースされるのがその翌年です。

このあたりから、日本人は紅茶に目覚めるわけです。正確を期すると、お紅茶に、女性たちがうんと親しみ始めた。

「ハロー・グッバイ」とタイトルが代わって柏原芳恵が大ヒットさせたのが1981年で、おとしごろのワタシらも、砂時計のついたボットの紅茶を、いっぱしの顔して注文したもンです。

ただし、こういう、砂時計が出てくるようなティーハウスのポットには、茶葉が入っていた。と、いうことは、紅茶には、「伝統」と「後発」の二つの流れが出来たということでありましょう。

「フォーション」のアップルティーがおいしい、なんてことも喧伝され、家庭においても、茶こしに茶葉をじかに入れてお湯を注ぐのではなく、ポットで淹れるようになります。

このころ家庭のコーヒーはというと、ルドルフ殿下のお墨付きで、ネスカフェをうやうやしくポットにいれる「伝統」方式が、当たり前でした。


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向かいのレストランに配達されたところです。

前菜は、トマト、キュウリ、輪切りソーセージ、さいの目ジャガイモのサラダ
主菜は、ニジマスのムニエル、グリンピースとニンジンのつや煮

立ち呑み日記・近所の蚤の市 [おでかけ]

日曜日の午後も遅く、近所に散歩に出たら、フリーマーケットがやっていました。一点曇りなき快晴につられて、その人出たるや、ディズニーランドもかくやです。

ぞろぞろ、ぞろぞろ、ワタシら親子も民族大移動の一端に加わり、めぼしいものはないか、と、右に左にきょろきょろしてみました。

ウーム・・・どの出店も、我が家のガラクタをぶちまけたのと寸分かわらぬ様相。

そこから掘り出すのが楽しいんじゃないの、と、いう声が、どこからか聞こえてきましたが。しかし掘り出したものを持ち帰るなら、まずうちのガラクタを整理しないと、しまう場所がない。

だからこそフリーマーケットに出すんじゃないの、と、いう声もまた、どこからか聞こえてきました。

じっさい、売っている側に、顔見知りのオカーサンを何人も見かけました。

着なくなった洋服や靴、遊ばなくなった玩具、読まなくなった本、使わなくなった道具。それらを外に出した今朝、おのおののご自宅が、どんなにか、せいせいしたことでありましょう。広々となった空間をうっとりながめてカフェ・オ・レの一杯も飲めたでしょうか。

「わたしのガラクタ、あなたのたからもの」
と、いう言葉が、フリーマーケット通の間ではあるそうです。こんなもの誰も要らないでしょ、と、出したものが、意外や意外、大感激のうちに買われたりする。

日本でいうと、食玩やキャラクターものにはコレクターがいるので、必ずはけるそうです・・

・・と、そこへ「パルド~ン」と、前方から声がかかり、二人がかりで、大きな棚が運ばれて来ました。

先頭に立って道案内をしているのは、欲しかったものが運よく手に入ったワ、という満面の笑みを浮かべた、マダムです。

どれどれと、と、のぞきこむと、あらまあ、棚のなんとみすぼらしいこと、埃っぽいこと。持ち帰って埃をようくようく拭きとり、ついでにペンキの塗り直しなんかもして、使うわけですね。

こういう光景を目の当たりにすると、がぜん何か買ってみたくなってきます。が、うちの場所ふさぎと同じような品物群から、いったいなにを選べばいいのか。

「これ」
と、9歳のムスメが、手近の屋台に山と積まれた小さなぬいぐるみに、手をのばしかけました。

「だめです、うちにたくさんありますッ」

もう遊ばないぬいぐるみなら、それこそ売るほどあるんです。あれをここに持ってきたら、はけるんでしょうか。

無理なんじゃないかなあ・・、と、そろそろ店じまいの時間にさしかかりながら、あいもかわらぬ満艦飾のままの屋台また屋台をぐるっと見回して、つくづく、考えちゃいましたヨ。

あの満艦飾が全部、今朝すっきりせいせいした住まいの、もとのさやに戻るんだナ・・

日本のフリーマーケット通の方のホームページによると、無印良品の透明プラスチックボックスを買っておいて不用品はまとめてここに片付けておき、いつでもこのまま出店できるよう、準備をととのえておくといいそうです。


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大賑わいの通りを一本それるとこの静けさです。

前菜は、細切り残り肉入りキュウリとトマトの中華風サラダ、ソーセージのパイ皮包み
主菜は、フランクフルトソーセージ、蒸しじゃがいも、カリフラワー塩茹で

立ち呑み日記・プールサイドで [おでかけ]

プールサイドのベンチに腰かけて、電光掲示板時計をにらむ。アーまだ4時かあ・・

ただ今、ワルガキのつきそいで市営プールに来ているところです。9歳のムスメがおともだちにさそわれ、子どもだけで行く、と、言うのに、だめです、と、鹿爪らしくやり、仕方なく、監督として同行したわけです。

来てみれば、さほど心配するほどのこともなく、バチャバチャ遊べる浅い子ども用もあり、監視員さんも、しっかり目を光らせていた。

ついさっきも、うちのワルガキたちが大きいほうのプールの飛び込み台にダンゴになって乗っかりかけたところで、
「シルヴプレー」
と、一見丁寧ながら、厳重注意がくだったところです。

この監視員さん、日本ならそろいのTシャツで、みなさんはちきれそうに若く、時折、おたがいに号令をかけあったりしているところ。

こちらは必ずしもそうとも言えないようで、おのおの私物と思われるTシャツで、ゆっくり、プールサイドを歩いておられます。

年齢も二十代ではなく、男性と女性のお二方とも、人生の酸いも甘いも噛み分けつつある分別盛り。

日本のこういう体育会系の女性って、なでしこジャパンの澤選手みたいに、勇気と活力に充ちて、腹が据わり、さばさばしている印象が、ありますよネ。

フランスの体育会系の女性陣営もまた、そのようです。

かつ、個人差もありましょうが、凛としていながら色気もある、と、いうのも、付け加えてみたいと思います。

今、こちらのほうへゆっくり近づいてきた女性の監視員さんが、まさにそういうお方。ホラ、映画「トップガン」の、トム・クルーズと後に恋に落ちる女の教官、あんな感じです。

この教官は、子ども用プールから飛んできたビーチボールを投げ返し、へりにつかまって小休止している年配の方と、ひと言ふた言言葉をかわし、プールサイドを走り出しそうな子どもらに、人差し指を上げて注意を促している。

そのお姿を、ほれぼれ眺めました。

「このプール、何時に閉まるんですか」
と、教官がちょうど目の前に通りがかった時、ワタシの横で腕を組んで、やるかたなく座っていたマダムが質問をなげかけました。

水から上がって子どもらを待っているオカーサンって、しぜーんと腕を組むかっこうになるものですネ。

こちらのオカーサン(ワタシです)もまた、さっきからがっちり腕を組んでいるんですが、この腕をとく気は、まるっきり、ありません。

なんとなれば、寒い。

「五時半です」
と、教官はきびきびした声で宣言なさり、横のマダムは、深々とため息をつきました。

電光掲示板の時計は、4時だったさっきから、ほんの数分動いただけ、やれやれ。

「帰って今度はうちでみんなと遊ぶ」
と、その時、海坊主三人組が、上がってきました。

やれうれしや助かった、と、腕をとき、あついシャワーを浴びに、立ちあがりました。


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小さい「ッ」が欲しかった。

前菜は、ニンジン千切りサラダ
主菜は、仔羊腿肉ロースト(一昨日の残り)、じゃがいもソテー、モロッコいんげん塩茹で

立ち呑み日記・つけて食べる [追究]

「これ牛乳につけて食べたいな」
と、9歳のムスメが、朝ごはんに出したチョコチップ入りミルクパンをかじりながら、言い出しました。

「ホットココアだと、もっといいだろうな」

あいにく、ただ今より日本語学校へ、うまくいって時間ぎりぎりにすべりこむ算段で、そんな悠長なこと、してられません。

「ホラ出かけるんだから、さっさと口につっこむッ」
と、鬼の形相の、オカーサン(ワタシです)。

しかしまあ、つけて食べるとオイシイものって、ありますネ。

クロワッサンを朝ごはんのカフェ・オ・レにびちゃびちゃつけて食べるのはフランス人のお家芸みたいなもので
「格段においしくなる」
と、フランス人のオトーサン(ワタシのオットです)。

バターをごってりぬったバゲットもまたそうやって食べます。

最近、うちのオトーサンは、健康のことを考えてだそうですが、バターの代わりに、アボガドを、ごってりやります。

これをまた、カフェ・オ・レにびちゃびちゃする。

それっておいしいの と、おそるおそるひと口もらってみると、意外や意外、あんがいイケるんですヨ。アボガドには、バターみたいなコクがありますからね。

朝ごはんつながりだと、お味噌汁にいれた.とろろこんぶ。

このとろろこんぶだけ引き出して、白いゴハンにのっけて食べるとこれが、格段にヨロシイです。お味噌汁につかってびしょびしょになったとろろこんぶが、ゴハンにしっとりまつわりついて、おいしいの、なんの。

かといって、お汁ごと全部ゴハンにぶっかけた日には、オカーサンにこっぴどく叱られる運命にあります。

こういうのはほどほどにしておくのが身のためです。

大昔に読んだ、矢沢永吉の自伝『成りあがり』でも、つけて食べることで、将来を決めるカギになるシーンが、ありました。

記憶だけを頼りに書くと、こうです。

とあるディスコで、素敵な女性を紹介され、その方が、棒つきキャンデーの紙をむいて、コーラにちょちょっとひたして、舐めた。

それを見た大ロックンローラーも、同じように棒つきキャンデーをコーラにちょちょちょっとやって、口に運んだ(あるいは矢沢さまのほうが先だったかナ)。

このしぐさが縁で、のちにお二方はご結婚なさったそうです(その後離婚もされたようですが)。

棒つきキャンデーで思い出しましたが、フランスの駄菓子にも、やはり、つけて食べるのが、ありました。

棒キャンデーを、ラムネの粉末みたいなのにつっこんだのちにぺろぺろするんですが、この粉が、もンのすごく酸っぱくて、甘くて、うちのワルガキたちによるとやみつきの味らしいです。

スーパーには売っておらず、遊園地や公園の売店などでしか買えない幻の味、というがまた、魅惑の味に拍車をかけているみたいです。


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本日のデザート

前菜は、メロン
主菜は、マスのムニエル、モロッコいんげん塩茹で、刻みパセリをふった蒸しじゃがいも

立ち呑み日記・必ず残る [おやつ]

ワルガキ二匹の小学校の帰り、迎えに行ったオトーサンをそそのかして、スーパーでチョコボンボンの詰め合わせを、買わせてきました。

あーまったくもう・・

このチョコボンボンは、スニッカーズみたいないろいろなチョコバーの一口サイズです。ぱくん、と、ひと口ではいるし、どれにしようかナ、と、まようのが、また、たのしい。

以上の点は、ようく、ようく、わかります。

オカーサン(ワタシです)だって、どっさりあるなかからミルキーウェイ、あたりを選んで、ぱくんといきたい。

がしかし、そうやって選(え)っていると、かなッらず、好まれないのが出てくるんですね。このチョコボンボンの詰め合わせでいうと、ココナッツの、白いサリサリしたのが入ってるやつ。

そうやって箱に残ったものは、あたかももう何も無きがごとく見向きもされず、戸棚のなかに、ずうううううっと、残る。

捨てるのもあれですしね。

だから、ハナッから残ると分かっているものがもれなく入っているのでなくて、スニッカーズなり、ミルキーウェイなり、キットカットなり、単体で買えばよかったのに、もうッ。

しかもそのほうが、割安です。

だいたい、チョコボンボンの透明な箱をよくよく見てみたら上げ底で、しかも、チョコボンボンがみっしり詰まった写真がついた厚紙が、敷いてあった。どっさり、と、いうのは大きな勘違いで、正味は大して入ってないんですね。やれやれ・・

それにしても、必ず残るものって、あんがい、ありませんか。

ウンそうそう、と、すぐさま思い出すのが、昭和の時代の、円筒に入った、三食ふりかけ。のりたまとタラコに、なぜまた必ず残ると分かっているごま塩を組み合わせたのか。

あれは、オトーサンのお弁当にと考慮されたものだったらしいですが、オトーサンは塩分を控えたんでしょうか。

必ず残ると言えば、ミックスナッツに入っているジャイアントコーン、と、いう声も、聞こえてきました。ウンわかるわかる、あれ、もンのすごく固くてがりりッとやると、脳天までズキンと響くんだよナ・・

でも、一度脳天ズキンを経験すると、なにかこう、やみつきになるのも、確か。せわしく顎を動かしたのちに後追いさせる、ビールなりワインなりがまた、ヨロシイ。

ジャイアントコーンはやっぱり入っててもいいかナ・・

・・とこう考えていて不意に思い出したんですが、東京ディズニーランドができたころって、パスポートのほかに、値段でランクのついたチケットの束制が、ありましたよね。

スペースマウンテンのような、誰もが乗ってみたくてうんとうんと並ぶ「大物」が、一番高いE券。

小さな子どもが遊べるようなものが、一番安いA券で、ワタシらおとしごろが繰り出していくと、「大物」に2時間待ちを繰り返すうちに閉園時間となり、使いきれずに、決まって残ったものでした。


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セーヌ河岸の目立たないところを覗いてみたら地下鉄の線路がありました。が、ブレちゃいましたゴメンナサイ。

前菜は、メロン
主菜は、仔羊腿肉ロースト、野菜入りケチャップ炊き込みご飯、インゲン塩茹で、グリーンサラダ



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